落語家・立川志の輔さんの独演会を聴いてきました。僕の地元での開催も今年で11回目。今年も聴くことができて嬉しいです。
一年に一度の楽しみなイベント
国内・外を問わず多くの場所で落語を披露されている立川志の輔さん。僕の地元でも独演会を開催してくださるようになって今年で11年目。僕は開催3・4年目くらいの時に聴いたのが最初で、それが人生初の落語体験でもあったのですが、見事にハマってしまって毎年の楽しみとして通い続けています。
開始直後からグッと心をつかまれる
落語では本編に入る前にまず巷で話題になっていることなどを題材にした話から始まります(落語用語で「まくら」というそうです)。
ニュースなどで連日取り上げられて聞き飽きていたような話題でも面白おかしく、ちょっぴり皮肉を込めて語られるのが楽しくて、すぐに会場の空気がほぐれていくのがわかります。
つづいて、「まくら」から本編へと移っていくのですが、あまりに滑らかに作品世界へ入り込んでいくのでしばらくしてから「もう始まってるのか!」と驚くことも多いです。個人的にこの驚きを味わうのが毎年の楽しみの一つだったりもします。
初心者にもやさしい新作落語
立川志の輔さんは現代社会に生きる人々の営みを題材にした「新作落語」と呼ばれるジャンルの落語も多く発表されています。
例えば、駅の切符売り場(みどりの窓口)での問答を描いた「みどりの窓口」や、近年ニュースで耳にするようになった”バールのようなもの”という言葉を題材にした「バールのようなもの」などといった、現代を生きる僕たちにとって馴染み深いものが登場するので初心者でもやさしく楽しめる内容の物語が多いです。
落語を初めて聴くまでは、江戸時代~大正時代にかけて作られた「古典落語」のイメージを強く持っていたためにどこか難しそうな印象を抱いていたのですが、志の輔さんの独演会で新作落語に触れて「落語ってこんなに面白いものなのか!」と驚くとともに虜になってしまいました。
落語というものを聴いてみたい、という初めての人は新作落語の中から選んで聴いてみるのも良いかもしれません。僕は上でも書いた「みどりの窓口」が好きです。
古典落語も聴くことができるので嬉しい
志の輔さんの独演会はその年によって演目が変わりますが、「新作」+「古典」の組み合わせでの公演になることが多い印象です。そのおかげで初めての人も「新作落語」でやさしく落語を体験することができ、同時に「古典落語」の面白さもしっかりと味わうことが出来る嬉しい構成になっているように感じます。
今年で11年目。ぜひこれからも末永く続いてほしい
演目が全て終わった後の満身創痍な志の輔さんの姿を見るたびに、落語はとても体力がいるんだなぁと痛感させられます。その上、全国各地を過密なスケジュールで飛び回っておられてとても大変そうなのですが、少しでも長くこちらでの開催が続いてくれることを勝手ながら願ってしまいます。
毎年欠かせない楽しみになるくらい充実な時間を体験させてくれる落語。ありがたいです。
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