ぶらり紀行

ぽっつり、ぶらり、東京2019《クリムトとゲームタクトと》編

久しぶりに東京遠征してきました。 今回は上野にある東京都美術館にて開催中の『クリムト展』と、蒲田にて行われたゲーム音楽イベント『東京ゲームタクト2019』に参加してきました。

上野・東京都美術館『クリムト展』

まずは上野恩賜公園内にある東京都美術館へ

まずは上野へ向かい、東京都美術館にて『クリムト展』を楽しみました。 美術館の他にも動物園や博物館がある上野恩賜公園へは今までにも何度か足を運んだことがあるので、東京にあるスポットの中では馴染み深い場所です。

といいつつ、前回の訪問からそこまで時間が経っていないかと思いきや、記録を確認したところ2016年開催の『ゴッホとゴーギャン展』が最後でした。 予想を上回る年月の経過速度……。

美術館入り口にある球のオブジェを目の前にする度に「来たぞッ」とワクワクします。

画面越しでしか知らなかったクリムトの作品を間近で堪能

恥ずかしながら画家・クリムトの絵画作品については、有名な「ユディト」くらいしか知らないような状態だったのですが、最初から最後までたっぷりと楽しませてもらえる内容でした。

前述した「ユディト」など、“クリムト”と聞いて多くの人がイメージするであろう独特の作風で描かれた作品は晩年に近い頃に制作されたものが多いようで、初期の頃の作品は僕が持っていたイメージとはまた違った印象を受ける絵が多くて新鮮でした。

初期の作品として飾られていた絵は重厚かつ精密に塗られた油彩画が多く(習作として描かれたものだからかもしれません)、そこから時代を追うごとに少しずつクリムト独自の装飾的な画面構成などの作風が現れ始める様子が興味深かったです。

そうしたバックボーンに触れた上で観た「ユディト」の絵はグッと魅力的に感じられました。 今まではテレビなど画面越しでしか見たことがなかった作品を目の前で堪能できたということも関係しているかもしれません。

文字通り釘付けにされてしまうような、キレイというだけではない妖しげな雰囲気にしばらく見入ってしまいました。

美術館に飾られた作品たちの前に立つ度に、数十年・数百年も前に生み出されたものを現代の僕たちが当たり前のように楽しめていることって、本当にとてつもないことなんじゃないかと実感しています。

「ベートーヴェン・フリーズ」に圧倒される

今回の大きな見所としてクリムトが音楽家・ベートーヴェンの「第九交響曲」をテーマに制作した巨大な絵画「ベートヴェン・フリーズ」の原寸大複製版も飾られており、その荘厳さには圧倒されました。

「ベートーヴェン・フリーズ」は縦およそ2メートル・長さは34メートルを超える壁画で左面から正面、そして右面へと物語が展開するように絵が連なっています。

人物のポーズや衣装・背景にいたるまでとても洗練されており、比較的シンプルな色使いでありながらも文様などによって見応えある画面になっているバランスに強く惹かれました。

個人的に、描かれている人物たちの腕から手にかけての表情がとても好きです。

全体的には装飾的にデザインされているデフォルメが強い画風に見えますが、人体描写はむしろ緻密に描かれている印象で、それも展覧会序盤で知った初期のしっかりとしたデッサンに裏打ちされたものなのだなぁと思いました。

音声ガイドってやっぱり面白い

今回も音声ガイドをレンタルして鑑賞に臨みました。 「クリムト展」のナビゲーターは稲垣吾郎さんです。

展示作品の解説だけでなく、ボーナストラックとして稲垣さん個人のウィーンに関する思い出やクリムト作品に対する思いを聞くことができる音声も収録されていました。

会場内を見渡すと音声ガイドを借りて身につけている人の割合は半分くらいかという印象ですが、個人的には音声ガイドがあると展覧会の楽しみがグッと深まるように感じます。

展覧会ごとにナビゲーター役の俳優さんや声優さんが異なっているところも楽しみのひとつで、展覧会によっては作品解説にも工夫が凝らされていて楽しめます。

以前鑑賞した『ゴッホとゴーギャン展』では声優の杉田智和さんと小野大輔さんがそれぞれゴッホとゴーギャンに扮して展示された作品の解説を行うというガイド内容だったのを思い出しました。

今回の『クリムト展』ではガイド機に付いた小さな液晶画面に該当作品が映し出された上で解説が流れるなど、わかりやすい内容になっていて作品解説に対する工夫に感銘をうけました。

ガイド機のレンタル料金(500円ほど)が惜しくないくらいの満足感を得られるので、あまり音声ガイドに馴染みのない人にもぜひオススメしたいです。

《余談》デジタルチケットによる入場で少しだけ手間取る

最近はスマートフォンの画面に表示されたQRコード(バーコード)を係員さんにスキャンしてもらって入場するデジタル形式のチケットを利用することが多くなりました。

ネット上で前もってチケットを購入することができ、わざわざ発券に行く必要もないので重宝しています。 ちなみに、入場と引き換えに紙チケットと同様の半券をもらえるため、実物の思い出もしっかり残るので安心(笑)

便利だなぁとありがたみを感じつつ、今回もスマホを見せて入場しようとしたところ、読み取り機がコードをなかなか読み込んでくれず少しマゴついてしまいました。

想像するに、おそらく僕のスマホの画面輝度が暗めになっていたために機械が読み取りにくかったのではないかと思います。

少し手間ではありますが、前もって画面をいつもより明るめに設定した上でチケットを提示するとスムーズに読み取ってもらえるかもしれません。

ひとつ勉強になった体験をした、という余談でした。

蒲田『東京ゲームタクト』

ゲーム音楽の祭典『東京ゲームタクト2019』へ

つづいて蒲田へ移動して、大田区民ホールにて開催された『東京ゲームタクト2019』というイベントに飛び入り参加してきました。

『ゲームタクト』は「ゲーム音楽」をもっと盛り上げていくことを目的として開催されている音楽イベントで、イベントの総監督は株式会社ノイジークロークの坂本英城さんが担当されています。 (数多くのゲーム音楽はもちろん、『スマブラSP』の主題歌で大きな話題に)

ゲーム音楽をアレンジしたオーケストラコンサートが演奏されたり、著名なゲーム音楽作曲家の方々によるトークショーのほか、CDなどゲーム音楽関連の物販コーナーが出たりと、終日ゲーム音楽をたっぷり堪能できるイベントになっているようです。

作曲家の方々によるトークショーを拝聴

イベントを知ったのがギリギリだったため、残念ながらオーケストラコンサートのチケットを手に入れられず聴くことが叶いませんでしたが、トークショーについては常時解放されているとのことだったのでお邪魔することに。

会場についてちょうど始まったのがインターネットラジオ局「ホンマルラジオ」の公開録音としてのトークショーでした。

「ホンマルラジオ」の会長・中村隆さんとゲームシナリオ会社「シナリオ工房 月光」の代表・重馬敬さんのお二人が司会を務められ、前半の部では岩垂徳行さん・なるけみちこさん・桑原理一郎さん、後半の部では中條謙自さん・加藤浩義さん・いとうけいすけさんをゲストに「ゲーム音楽とクラシックの素敵な関係〜ゲーム音楽がクラシック音楽になるには?〜」と題したゲーム音楽トークが交わされました。

「影響受けたクラシックの作曲家は?」 「ゲーム音楽が100年先にも残るためには?」といった、こういったイベントでしか聴けないようなディープなトーク内容も多く、あまり音楽に詳しくない僕でも非常に聴き応えを感じる楽しい時間でした。

調べてみたところ、収録されたトークショーの内容は「ホンマルラジオ」のWebサイトで聴くことができるようです……!

“ゲームタクト”に関する番組一覧 – 『ホンマルラジオ』 公式サイト

笑いが絶えなかった『かまいたちの夜 × 逆転裁判』トークショー

つづいてイベント初日を締めくくる注目のトークショー『かまいたちの夜 × 逆転裁判 ミステリーアドベンチャーの作曲技法』の時間に。

ゲーム『かまいたちの夜』と『逆転裁判』はどちらも大好きな作品なので、まさかのコラボレーションにワクワクが止まりませんでした。

坂本英城さん、麻野一哉さん、加藤恒太さん、杉森雅和さん、巧舟さん、岩垂徳行さんが登壇され、さらには『逆転検事』などでプロデューサーを担当された江城元秀さんも当日サプライズ参戦。 会場は大いに盛り上がりました。

「ディレクターと作曲家はどのように意見を擦り合わせるのか?」 「担当作品に関する思い出」 「作曲当時の苦労やこだわりについて」などといったお話が笑いを多分に含んだカタチで繰り広げられました。

和気あいあいとした進行ながらも、さすが音楽イベントというだけあって楽曲についてのお話では、使われた音色やコード(和音)、楽曲構成などかなり突っ込んだ部分にまで触れられており、音楽知識があればもっと深く楽しめただろうなぁと感じました。 勉強に対するやる気がアップしました……!

壇上の皆さんのお話はどんどん盛り上がっていき、なんと予定時間を大きくオーバーする贅沢ぶり! それでもまだまだ聴き足りないくらい盛りだくさんな内容で、目の前で聴くことができて本当に良かったです。

ぜひ同メンバーで第2回を開催してほしいくらい魅力的なトークショーでした。

東京ゲームタクト2019 公式サイト

もっとゲーム音楽について掘り下げたいと感じさせられた

トークショーで作曲家の皆さんが語られていた「ゲーム音楽という一つの文化」に対する情熱に触れたことで、自分自身のゲーム音楽が好きだという気持ちをより深めてみたくなりました。

もっと色々なゲーム音楽を知っていきたいですし、自分が良いと感じたものは周りへとしっかりと伝えていきたいです。 いちユーザーとして、自分の好きなものを応援するために出来ることは何があるかなぁと考える良いきっかけをもらえたように感じます。

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六味

六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。