『シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽』編からひきつづき、こちらでは「ミュシャ展(スラヴ叙事詩)」の感想を。
渋谷のBunkamuraオーチャードホールをあとにして、電車を乗り継いで『ミュシャ展』の会場である六本木の「国立新美術館」へ。
今回訪れた『ミュシャ展』は、アール・ヌーヴォーという装飾的な美術で有名な芸術家「アルフォンス・ミュシャ」が残した作品の中から、晩年に描き残した「スラヴ叙事詩」と呼ばれる20点もの巨大な油彩画にスポットを当てた展覧会です。ミュシャの故郷であるチェコ国外で公開されるのは世界で初めてのことなんだとか。
数年前、「スラヴ叙事詩」が2017年に日本で公開されるとの予告を耳にして、この日をずっと待ちわびていました。
会場に着いたのは夕方でしたが、入場券売り場には長い列が。今回は事前に公式サイトにてオンラインチケットを購入しておいたので待ち時間なしで入ることが出来ました。入場券は前もって購入して行くのがオススメです。
ちなみにオンラインチケットは自宅で印刷して持参する方法もありましたが、今回は受付でスマートフォンの画面に表示したQRコードを提示する形式を選びました。電池残量には気を付けなければいけませんが便利です。すごい時代。
入り口で音声ガイドをレンタルして中に入るといきなり「スラヴ叙事詩」の中の1枚がお出迎え。てっきりアール・ヌーヴォー時代のポスターなどから順番に見せられると予想していたので、いきなりメインの画が登場してビックリ。
と同時に、画のあまりの巨大さにもビックリ。天井を見上げるくらい首を傾けないと視界に入りきらない程のサイズに圧倒されてしまい、入場したばかりなのにしばらくその場から動くことが出来ませんでした。
会場は天井の高い大広間のような開放的な場所なので、来場者は多かったものの画が見やすいポジションに立つのは難しくなく、あまりストレスを感じることなく観賞に集中することができました。
また、会場内は順路が設定されていなかったので、好きな順番で好きなだけ作品を堪能できるのが嬉しかったです。
「スラヴ叙事詩」の中の数枚は別室での展示となっており、その部屋に限り写真撮影が許可されています。皆さん思い思いのアングルで写真撮影をされていました。
一通りスラヴ叙事詩を堪能したあとは、時代を遡ってアール・ヌーヴォー時代からスラヴ叙事詩を描くまでに残した作品へとつづきます。要点に絞られた内容ではあったもののミュシャ作品の魅力を十分に味わえる展示になっていました。
ミュシャについては以前からアール・ヌーヴォー時代の装飾的な作品も好きだったのですが、僕はミュシャが残した油彩画に特に強く心惹かれていました。
写実的な描写でありながら、色調や画面構成にはアール・ヌーヴォー時代の作品のような計算された装飾性が感じられるところが大好きで。今回の展覧会でスラヴ叙事詩をこの目で観ることができて本当に嬉しかったです。
余談になりますが、作品観賞には双眼鏡などがあるとより深く作品を楽しめてオススメです。
僕の場合はまず音声ガイドを聞きながら道具なしで画の全体を眺めた後、もう一度同じ音声ガイドを聞きながら今度は双眼鏡で細部を観賞しています。
また、双眼鏡があることで混み合っている作品前から少し離れたところからでも鑑賞できるので、あまり疲れずに展覧会を周ることが出来ます。
双眼鏡を活用した観賞を体験してしまうと、もうコレなしでは満足できなくなってしまうこと間違いなしです。