* このページではアフィリエイト広告を利用しています

ぶらり紀行

ぽっつり、ぶらり、東京《歓喜のジョジョ展・涙のユーフォ定演》編

2018年9月30日。大型台風24号(通称「チャーミー」)が日本列島へと近づくさなか、東京と神奈川(横須賀)へ遠征してきました。正直、自宅待機していたかったですが、チケットを入手した2つものイベントがよりにもよってこの日に開催予定だったのです……。ここまでの不運、なかなか無いでしょう。

参加を予定していた『ジョジョ展』と『響け!ユーフォニアム定期演奏会』

数ヶ月も前からチケットを用意していた2つのイベントとは、東京の「国立新美術館」で開催されていた『荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋』と、神奈川の「よこすか芸術劇場」で開催されたアニメ『響け!ユーフォニアム』の『第3回定期演奏会(コンサート)』でした。

荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋』(通称・ジョジョ展)は漫画家・荒木飛呂彦先生の代表作ジョジョの奇妙な冒険』の直筆原稿(原画)などを観ることができる展覧会で2018年10月1日まで東京・国立新美術館にて開催されていました。このあと、大阪会場へと移るようです。

ジョジョ展』は6年ほど前にも一度東京で開催されています。前回の展覧会には残念ながら行くことが出来なかったので、今回はチケット販売開始直後に速攻ゲットして数ヶ月もの間この日が来るのを心待ちにしていました。

響け!ユーフォニアム 第3回定期演奏会』はその名の通り、京都アニメーション(京アニ)のアニメ作品響け!ユーフォニアム』の作中に登場する楽曲の数々を目の前で実際に演奏してくれるという夢のようなイベント。

以前、同じく神奈川で開催された第1回を観賞させてもらって感動したので、今回もぜひ聴いてみたいとチケット抽選に応募したところ珍しく当選したのでした。(僕って普段はホント抽選に縁がないんです……)

しかし、珍しくチケットが手に入ったのにもかかわらず、台風の魔の手によって……? 

詳しくは後ほど。

当日まで台風の進路状況に心乱される

当日を今か今かと楽しみにしていたのですが、台風24号の発生と予測進路の発表によって暗雲が立ち込めます。どうやら予報によると、まさしく予定当日に本州直撃とのこと。今まで生きてきた中で、ここまでの不運を実感することはありませんでした。

ユーフォ』は荒天により中止になればチケット払戻しもありえるかもしれませんが、『ジョジョ展』の注意事項には「基本的にチケット払い戻しはなし」との記載が。行かなくてはもったいない……(どケチ根性)。

何よりも、ようやくまた荒木先生の原画を拝むことができるチャンスが巡ってきたのです。今回ばかりは雨が降ろうが槍が降ろうが、台風が来ていたって這ってでも行く覚悟を決めました。

決死の覚悟でいざ、東京へ

そして迎えた当日。気象庁のWebサイトで進路予測をチェックをするたびに台風の進行速度が少しずつ遅くなっており、関東に到達するのが当日の夜との予報がでていたので少しだけ希望を感じながら自宅を出ることに。

出発時の天気は小雨こそ降っていたものの電車も止まることなく運行しており、本当に台風なんて来るのかと感じさせるほど穏やかでした。今思えば、あれが「嵐の前の静けさ」というヤツだったのかもしれません。

巨大パネル・原画・等身大アート、その全てにハートが震えた『ジョジョ展』

電車を乗り継いで、まずは東京・六本木にそびえる「国立新美術館」へ。地下鉄・千代田線乃木坂駅で降りれば改札から館内へ直通なので便利です

会期終了間際かつ台風接近にも関わらず、場内は多くの人で賑わっていました。ここで少しだけ展示内容に触れますのでネタバレを避けたい人は飛ばし読みしていただければ幸いです。なお、東京会場での話なので、大阪会場のものとは異なる場合があります。

会場に入ると奥までズラリと並んだ巨大なパネルアートがお出迎え。たしか数年前の仙台での『ジョジョ展』のために描き下ろされたイラストだったと思います。加えて、最奥には今回のメインビジュアルも巨大パネルになって飾られていました。これらの巨大パネルに限り写真撮影が可能になっていました。

巨大パネルを一通り楽しんだので、つづいては順路通りに原画を鑑賞していくことに。どれもがマンガとして一度読んだことがあるにも関わらず、原画から感じられる生々しさのようなものに圧倒されてしまいましたインクの濃淡修正液による凹凸、印刷には載らない下書きの青い描線……そういった紙上に残された制作の過程を味わうことができるのは、荒木先生がこだわっておられる「アナログ制作」ならではの魅力だと思います。

最後に展示されていた、今回の『ジョジョ展』に向けた描き下ろし連作の等身大アートも素晴らしかったです。付近で流れていた制作現場の映像(ジョジョリロン)や図録のインタビューで先生が語られていた「等身大のサイズで描くことで漫画世界と現実世界の境界を無くせるのでは」という言葉はその通りで、等身大アート内の地平と観ているこちら側が地続きになっているのかと錯覚させられるような、キャラクターが本当に目の前に立っていて今にも動き出すのではないかといった印象を受けました。

音声ガイドは必ず借りるべき!

ジョジョ展』で楽しみにしていたことの一つに「音声ガイドを聴きながら展示を楽しむこと」がありました。恒松あゆみさんによるナビゲートや荒木先生ご本人による解説を聴くことができるということで行く前からずっと楽しみにしていたのですがファンには垂涎ものの内容でした。これはみんな借りるべき!

基本的には展示されている原画ついて、描いた当時の思いやエピソードが荒木先生ご本人の口から語られているのですが「そんな意図があったとは!」と感じられるような聴き応えある秘話のオンパレードで耳が幸せでした。

中でも、バトルシーンの大詰めである攻撃の乱打オラオラ(無駄無駄)ラッシュ」を描く時の思いについては必聴だと思います。原画を眺めながら聴いていて、お話があまりに面白かったので少し吹き出してしまいました。

余談ですが、荒木先生の人柄には物凄く魅力がありますよね。飾ることのない少年のような話し方に親しみを覚えてしまいます。マンガも大好きですが、先生の言葉・思いに触れることができる映画エッセイ漫画術の本も僕は大好きなんです。

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟 (集英社新書)
荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

時間に余裕をもって訪れると吉

場内はおよそ1時間30分ほどで最後まで回ることができました。ゆっくりと観て回りましたが、原画一枚一枚を隅々までじっくりと観たいという場合はもう少し時間に余裕を持っていくと良いかと思います

原画の前には人だかりができており、少しずつ歩みを進めながら観ていくという流れが自然に出来上がっていたので、これに加わって順番に観ていくと最後までかなり時間が掛かりそうでした。

場内の係員さんも「空いているところからご覧ください」と声をかけていたので、人混みの少ない展示ゾーンを探しながら鑑賞するのが吉かと思います。

こういった人が多い展覧会を訪れる際に強くオススメしたいのが「オペラグラス(双眼鏡)を活用すること」です。

オペラグラス(双眼鏡)というと観劇などで遠くの物を観たりするためのものというイメージが強いかと思いますが、中には博物館や美術館で目の前にある展示物をより細かく観察するために近距離の物にも対応しているモデルも存在します。

僕が使っているのは「PENTAX」の双眼鏡『PAPILIOII 6.5×21』というモデルで、数年前に購入したものですが美術館や観劇に足を運ぶ際には必ず携帯するほど役立ってくれています。

展示物はガラスケースに収められているものもありますが、そういったものは顔を近づけるにも限界があります。そんな時にこういった双眼鏡が活躍します。他にも、例えば展覧会目玉の展示物の前にはよく人だかりができますが、そんな時にも少し離れた場所からバッチリと観ることができます

気分良く次の目的地、横須賀へ……ところが

ジョジョ展』を満喫して美術館の外に出ると雨は止んでいました。「これなら問題なく行って帰れるのでは……!」と期待に胸膨らませ、『ユーフォ』の開催地である神奈川・横須賀へと向かう電車に乗り込みました。

電車は神奈川県へと入り、変わらず穏やかな天気の中を横須賀へ向けて走ります。その間も念のためスマホで天気予報やイベント運営を細かく調べていました。そして、目的地である横須賀まであと数駅と迫った時、スマホに通知が。

「JR中央線の運行情報が更新されました」

嫌な予感がしながらも通知内容を確認すると「JR中央線が本日17時以降、運転見合わせ」との文字。『ユーフォ』は終演が16時半なので、このまま参加した場合、家に帰ることができなくなります。あぁ、やはりダメだった……。

しかしながら、これは覚悟はしていた事態。とにかく帰れなくなるということだけは避けねばならないため、かなり後ろ髪は引かれましたが電車を降りて折り返すルートを探します。

調べるとどうやら、ここから引き返しはじめて17時の運休にギリギリ間に合うかどうかといった瀬戸際。一つの乗り換えミスも許されない状況でした。

自宅最寄り駅まで来てちょうど運休へ

地元まで特急を使う算段を立てていたものの既に特急は一足早く運休になっていることを知って腰を抜かすなど、普段あまり乗りなれていない交通機関に翻弄されつつも、何とか自宅最寄り駅まで辿り着くことが出来ました。そして、そこでちょうど運休のアナウンスが。危なかった……。

結局、横須賀の地を踏むことすらなく引き返す結果となってしまいましたが、台風の接近が予告されていた以上、大きなトラブルもなく無事に家に戻れたのは上出来の結果と言えるでしょう。

ただ、チケットがまるごとムダになってしまったというのは少し残念です。

実は『ユーフォ』は2部制での公演だったのですが、夜の部は台風接近の影響を考慮して中止・後日(12月24日)に振替となったらしく。昼の部は予定通り行われたようなので、それに行けなかった僕だけが大ダメージを負う結果となってしまいました。なんてこったい。

とはいえ、天候についてはどうしようもないことなので、今回は運が悪かったと気持ちの整理をするしかないですね……。演奏を聴くことができるチャンスはきっとまた巡ってくることでしょう。

今回は『ジョジョ展』だけでも観ることが出来たというのがせめてもの救いになりました。

《余談》JRの「休日おでかけパス」にとても助けられた

今回の遠征ではJRが販売している「休日おでかけパス」というお得な切符を初めて利用してみました。これにとても助けられました。

休日おでかけパス」は、2670円で指定区間内のJR線やモノレールなどに乗り放題という切符です。(2018年10月4日時点)

JR線限定ではありますが有効範囲はなかなかに広く、東京近辺の観光を2箇所以上楽しむならほぼ元は取れるのではないでしょうか。今回『ユーフォ』の開催地となっていた横須賀(JR横須賀駅)も範囲に含まれていたので、途中で引き返すことになったものの電車代がムダにならずにすみました。

また機会があれば、この切符を利用して久しぶりに鎌倉散策なんてしてみたいです。

休日おでかけパス – おトクなきっぷ:JR東日本

今回得た教訓

  • 台風や大雪など荒天が予想される季節のイベントはとてもリスキーであること
  • イベントのチケットが手に入っただけで喜ぶのは早い。楽しんで家に帰って初めて喜べるということ。
  • 会期が設けられているイベントの場合、終了間際の日程ではアクシデントに対して延期等の対応が難しくなること
  • 同じ日にいくつものイベント予定を詰め込むと、ダメになった時の精神的ダメージが計り知れないこと
  • 「休日おでかけパス」がとっても便利だということ

なかなか大変な遠征でしたが、色々と学んだ部分もたくさんあった一日となりました。

ぶらり紀行

この記事をシェアする

六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。