先日封切られた、映画『響け!ユーフォニアム』シリーズの劇場版第3作目『誓いのフィナーレ』を観てきました。 少し内容に触れていますので読まれる際はご注意くださいませ。
原作小説第2部を映像化した劇場版の最新作
『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』は、武田綾乃先生による原作小説の第2部にあたる『波乱の第二楽章(前・後編)』を映像化した劇場版最新作です。
劇場版としては第3作目(スピンオフ作品の『リズと青い鳥』も含めると4作目)となる『誓いのフィナーレ』は、TVアニメ版を再構成した第1作と第2作と異なり、完全新作の映像作品になっています。
原作小説の第1巻(アニメ第1期)から一年が経過しており、主人公・久美子たちは進級して2年生に。 3年生の先輩は卒業し、新たに1年生の後輩が加わった北宇治高校吹奏楽部を舞台に物語が描かれます。
映画では『波乱の第二楽章(前・後編)』の最後までを100分で描ききっていました。
少し駆け足ながらも後編までしっかり描かれていて満足
原作の前・後編が劇場版1本(100分)に全て収まるのかと心配していましたが、ほとんどのエピソードが描かれていたように感じます。(原作を読んだのが少し前なので忘れている部分もあるかも……)
原作を知っていないと物語の流れがわからないというようなこともなく、2年生へと進級した久美子の波乱に満ちた1年間が100分でキレイに描かれていて満足できる一作でした。
時間の都合上、各エピソード中の細かい演出は割愛されている部分もあったように見えましたが、そういった部分は原作小説が補完してくれているので、アニメ派の人にも原作小説はぜひオススメです。
他にも、ところどころ原作小説第2部のその後を描いた短編『北宇治高校吹奏楽部のホントの話』に登場した設定がほんのり活かされている描写もあった気が……!(ギターとか)
映像化のワクワクを久しぶりに味わえた
小説を映像化した作品に触れるのは久しぶりで、原作を読んで頭の中に思い描いていた情景がアニメ化されて眼前のスクリーンに映し出されているのにはワクワクを禁じえませんでした。
キャラクターについても同様で、「このキャラってこんな見た目だったのか!」と楽しみながら物語を堪能しておりました。
こういう時に本を読んで想像することの楽しさを実感させられます。
『リズと青い鳥』を観ておくとニヤリとできる
映画『リズと青い鳥』は久美子の先輩である吹奏楽部の女子2人にスポットを当てたスピンオフ作品ですが、今作『誓いのフィナーレ』と同じ時系列の物語になっています。
『誓いのフィナーレ』で久美子が奔走していた一方で起きていた別の物語が『リズと青い鳥』で描かれているので、ところどころ描写がリンクしていてニヤリとしてしまいました。
今作も圧巻の演奏シーン
僕が『劇場版 響け!ユーフォニアム』シリーズを映画館で観賞する大きな理由の一つに「演奏シーン」がありまして。
映画館の音響設備で体験する演奏シーンがホントに素晴らしく、迫力ある映像と相まって演奏終了まで息をするのを忘れるくらい惹きつけられます。
毎回、「今回はどんな演奏が聴けるのかなぁ」とまるでコンサートへ向かうかのような心持ちで映画館へ足を運んでいます。
こちらについても『リズと青い鳥』を観ておくとニヤリ、ですよ。
原作小説とともに最終章が気になる
ついに原作小説も最終章へ突入しました。 この記事を書いている時点では前編が発売中で、後編はもう少し先といった状態です。
ここまできたからにはぜひアニメ版でも最終章を描いていただきたいところ……!
終りが近づいているのは少し寂しいですが、今後も『ユーフォ』シリーズから目が離せません。(できれば「立華高校」編もアニメで観てみたいですよね)
《余談》今回は「フォトセッション」は無いようで
劇場版第2作目『届けたいメロディ』では上映開始直後にスクリーンを持参のスマホやカメラで撮影できる「フォトセッション」タイムが設けられていて、専用映像が週替りの内容で流れたりしました。
今作でもあるのかなぁと淡い期待を抱きつつ上映開始を迎えたのですが、残念ながら今回はなかったようです。
《追記》 『誓いのフィナーレ』ブルーレイをゲットしました。
2020年2月に発売した『誓いのフィナーレ』のブルーレイをゲットしました。
劇場で初めて観た時に「今のところ、もう一度確認したい!」と思ったところを満足いくまでループ再生で堪能させてもらいました……!
また、このブルーレイにはストーリー紹介や登場キャラクターの一覧、制作スタッフさんによる座談会記事が載ったブックレットも付属しています。
特に、2019年6月に行われたというスタッフさんたち(石原立也さん、山田尚子さん、池田晶子さん、西屋太志さん)による座談会の記事は、僕にとってかけがえのないものとなりそうです。
僕らがこの作品から感じ取っている魅力の数々が、スタッフさんたちの非常に緻密な意識・考えによって紡ぎ出されていることがわかる内容でしたので、ぜひ。
今後とも微力ながら自分にできるカタチで応援し続けていきたいという思いを再確認させてもらいました。