年月が過ぎるスピードがどんどん早まっているかのように錯覚する今日この頃。 ふと手持ちのレトロゲーム機たちをメンテナンスしたくなり、いろいろと工具類を集めてみることにしました。
※ この記事ではゲーム機の分解・修理に関する話題を挙げていますが基本的にメーカーは推奨していないため自己責任で行っております。 参考にされる際はご注意くださいませ。
所持しているゲーム機の劣化を感じていた
プロフィールにも載せているとおりゲームで遊ぶのが好きです。 新作はもちろん、往年の名作の魅力にも触れたくてレトロなゲーム機を今でも大切にしています。
手持ちのゲーム機の中で最も古いのはファミコン&ディスクシステムでしょうか。 発売から30年近く経っている重鎮です。
そこまでいかずとも、PS2やゲームキューブといった僕の記憶の中では比較的新しく感じるようなゲーム機でさえ20周年を迎えたというニュースを最近耳にしました。
時の流れの早さには本当に驚かされます。
すると気になってくるのはやはり経年劣化です。 汚れや黄ばみといった表面的な劣化をはじめ、ゲームのデータを正常に読み込まなくなったりするなど中身の部分も少しずつ傷んでいきます。 物質である以上どうしても避けられません。
仮に動かなくなっても買い替えれば……という案がまずは浮かびそうですが、年月を経るごとにレトロゲーム機の中古価格は高騰が続いているんですよね。 ゲーム配信の流行りによる需要の増加なんかも関係あったりするのでしょうか……?
ならば修理を、といってもゲーム会社による公式の修理サービスは古いゲーム機を受け付けていませんし。 かくなる上は……
自分で修理・メンテするっきゃないじゃない
何かあった際には自分自身の手で分解して修理するっきゃない、という結論に達しました。
幸い、今のところ手持ちのゲーム機は全て問題なく動いてくれているので緊急の分解修理は必要ありません。 そのかわり、端子の清掃や中に入り込んだ細かい埃の除去などメンテナンスを行って少しでも稼働寿命を延ばしてあげたいと考えました。
ちなみにメーカーが修理を受け付けている現代のゲーム機については、自分で分解したりせず修理をお願いするに越したことがないのは言うまでもありません。 どうあがいても餅は餅屋っす。
※ 繰り返しとなりますが、この記事に書いたゲーム機の分解・修理については基本的にメーカーは推奨していないため自己責任で行っております。 参考にされる際はご注意くださいませ。
手に入れた工具類を紹介
ゲーム機の分解・メンテナンス・修理に使うため手に入れた工具類をメモしていきます。
プラスドライバー&精密ドライバーセット
プラス(+)・マイナス(−)型のドライバーはどこのご家庭にも常備されているくらい当たり前にあるものかと思いますが、我が家のドライバーは古びて先が削れていたりしたので良い機会と思い買い替えることに。
汎用性の高いサイズのプラス(+)型ドライバーと……
数種類の小さいプラス(+)・マイナス(−)に対応した精密ドライバーセットを揃えました。
特殊ネジ用ドライバー各種
ゲーム機にはプラス型以外にも様々な形をしたネジが使われているので、ドライバーもそれに合わせた種類のものを揃えなくてはなりません。
そんなわけで手持ちのゲーム機に合わせて下記のとおり特殊ネジ用ドライバーを集めました。
【エンジニア ラインヘッドネジ用 DTC-20・DTC-27】
ラインヘッドネジと呼ばれる星型のような特殊ネジに対応するドライバーで、型番の数字どおりDTC-20の方がサイズが小さいです。
DTC-20は主にスーパーファミコン・ゲームボーイ(カラー含む)・ニンテンドウ64などのソフト(カートリッジ)に使われているネジに対応します。 ※ ゲームボーイアドバンスは違う形のネジなので注意!(後述のY型ネジ)
DTC-27はスーパーファミコン・ニンテンドウ64・ゲームキューブなどのゲーム機本体に使われているネジに対応します。
【エンジニア Y型ベンツドライバー DTY-02】
携帯ゲーム機に多く採用されているY型の特殊ネジに対応するドライバーです。
このネジが使われているのはゲームボーイ本体(初代〜カラー)・ゲームボーイアドバンス本体・ゲームボーイアドバンスSP本体・ゲームボーイアドバンス作品のカートリッジ・ゲームボーイミクロ本体・ニンテンドーDSシリーズ本体など、携帯機をメインに幅広く使われているようです。
と、ここでひとつ注意事項をば。 事前の情報収拾を誤り、DTY-03を注文したところ世間でよく使われているのはどうやらより小さいサイズ(DTY-02)だと判明。
後述するゲームボーイアドバンスSPの分解にはDTY-03でも問題なく完遂できましたが、他の機種にも使う予定がある人はDTY-02にしておいた方が無難かもしれません。 特に小さなY型ネジが使用されているゲームボーイミクロ本体はDTY-03だと噛み合いませんでした。(もしかすると02よりもっと小さいかも……?)
念のため小さい方(DTY-02)のリンクにしておきます。
通販サイトで購入される際は最後まで型番・サイズの表記をしっかりと確認してから注文することをおすすめします。 商品写真だけでサイズを判別するのはほぼムリっす。
はんだこて関連
通常の分解やメンテナンスではあまり登場しませんが、今回はゲームボーイアドバンスSPの液晶交換にもチャレンジしてみたかったので用意しました。
これまでの人生ではんだこてなんて握ったこともなければ工学知識もゼロなので、情報収拾で知ったオススメ品をチョイスしています。
まず、はんだこては温度調整機能が付いたものが良いとのことだったのでコチラを。
そして、こてを置くスタンドも。 こて先を綺麗にするクリーナーも付いています。
はんだこての備品もいくつか。 こちらは交換用のこて先で、初期装備されている尖った形状のものより平べったい分だけ熱が伝わりやすいと聞きました。
こて先のカバーも。 中にある渦巻き状の金具がこて先を保護してくれます。
当然のことながら、はんだこてだけでは作業はできません。 はんだは鉛入りのものを選んでみました。
はんだを定着させやすくするために塗るフラックスも。
不要なはんだを取り除くための吸い取り線。 使い終わった部分を切るためにニッパーのご用意を。
そのほか便利だったもの
【精密ピンセット 先曲タイプ】
指では難しい細やかな作業の時に助けられました。 ゲーム機は小さい部品が多いので活躍する場面多し。
【無水エタノール】
ゲーム機やカートリッジの中にある基板を洗浄するのに使いました。 はんだづけした後の余分なフラックスを取り除くのにも。
【綿棒】
無水エタノールをつけて拭くのに使いました。 細いタイプを選ぶと細かなところまで行き届いて良い感じ。
【作業マット(絶縁・耐熱)】
はんだづけなど熱が発生する作業や、静電気が大敵な作業がメインになるので絶縁・耐熱加工の作業マットを用意しました。 外したネジなどを置く凹凸もあって便利。
なるべく安さより品質を優先してみた
今回手に入れた工具類は値段の安さよりも品質を優先し、長く使えそうなものを選びました。 ……選んだつもりです。
例えば同じ特殊ネジ用ドライバーでも、今回選んだ物の半額以下の値段で売っている同じ形状のドライバーがあったりします。 コストを抑えるなら後者を選ぶべきなのでしょうが、やはり“安かろう悪かろう”な側面もあるのだそうです。
特に今回のような替えの効かないレトロゲームのメンテナンスにおいては「安物を使ったことでネジを潰してしまった」なんてことが起こっては目も当てられません。
なにぶん知識ゼロなこともあって調べたことの受け売り状態で恐縮なのですが、“工具にはお金をかけろ”というアドバイスも挙がっていたのでそれに習う形となりました。
とりあえずレトロゲームとの付き合いはこれから先も長くなりそうだとは思うので、ここでちゃんとした工具を用意しておくのは悪くない選択だったなと満足しています。
ゲームボーイアドバンスSPの液晶交換にチャレンジ
ゲーム機のメンテナンスに加えて以前から興味を持っていたのがゲームボーイアドバンスSPの液晶をバックライトのものへ交換することでした。
非純正ではありますが交換用の液晶部品が流通していて、それを元々付けられている液晶と交換することで表示領域が大きくなり、明るさもアップさせることができます。
まだまだ遊んでみたいゲームボーイ作品がいくつもあったので、快適にプレイするためにも液晶交換を行ってみることに。 不器用の極みな人間なので不安だらけでしたが、交換手順など有力な情報がたっぷり存在していたので詰まることもなく作業を終えることができました。 素晴らしき先人たちに感謝。
惜しむらくは作業に集中しすぎて途中経過の写真を残し忘れたことです。 さらに元の液晶の写真も忘れたせいで明るさ比較もできないという。 完成後の写真でなんとか画面の広さと明るさを感じていただけましたら……。
※ しつこいようですが、この記事に書いたゲーム機の分解・修理については基本的にメーカーは推奨していないため自己責任で行っております。 参考にされる際はご注意くださいませ。
人生初のはんだづけ体験に震える(手が)
この液晶交換で一箇所はんだづけが必要な場所があり、僕にとって人生初のはんだづけ体験となりました。
初めてという緊張と失敗したら愛しのゲーム機が壊れるかもしれないという極限のプレッシャーにより手がブルブル震えて大変でした。 前もって練習しておくべきだったかも。
四苦八苦したものの、はんだこての持つ有用性を知ることもできた気がします。 ゲーム機に限らず役に立ちそうな場面が色々ありそうだぞ……!
電子回路など工学の分野に興味がわいた
今回、色々な工具を揃えてみたり、それを使ってゲーム機をいじってみたりしたことで電子回路など工学に関する分野に少し興味がわきました。
そういえば理科の授業で習った電気の内容とか苦手だったなぁ……とビターな思い出も頭をかすめたので自分のオツムでどこまで身につくかはわかりませんが、ゲームを足がかりにハードウェア方面の知識とも仲良くなれたら嬉しいです。
これまで「ゲーム機ってどうやって動いているんだろう」なんて考えてもみなかったので、なんだか全く知らない新たな世界が目の前に広がっているようでワクワクしています。