ぶらり紀行

中江有里さん講演&やま読シンポジウムで読書がもっと好きになりました


先日、山梨県立図書館にて開催された中江有里さんの講演会と山梨県の読書文化についてのシンポジウムを聴講してきました。どちらのイベントも聴き応えのある内容で、とても面白かったです。

自身の読書体験などについて語られた中江さんの講演

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はじめに、女優・作家・脚本家など幅広く活躍されている中江有里さんの『読むこと、生きること~『わたしの本棚』をめぐって』と題した講演会を聴きました。

中江さんにとって「長年の友達」のような存在である本との出会いや、何のために読書をするのかなど、題のとおり中江さんと本との関わりについてが語られていました。

僕も数は少ないものの読書に親しんでいるので共感できる内容も多かったです。

「本は植物の種のよう」

中江さんが講演で話された内容の中から印象に残った言葉をいくつか挙げていきます。

本の魅力を語られた際に「本は植物の種のよう」だと表現されていました。どんな芽が出て、どんな花が咲き、どんな実をつけるかを楽しむことができるのが本を読むことの良さだとのことです。

他にも、演技の稽古を受けていた時に講師に言われた「仕事がほしければ本を読みなさい」という言葉が強く心に残っているという話も。セリフとト書きだけの脚本の中から演技に必要となる人物の細かな心情などといった情報を読み取る力が求められていたのでは、と振り返っていました。

「本は自分自身の物差し」

中江さんは「本は自分の物差し」だとも考えているそうで、「よくわからなかった本でも時間を経て再び読んだ時には理解できることもあり、自分自身の成長を実感する」とのことです。

同じ本でも数年経ったあとに読み直すとよく理解できたり、感じ方が変化するというのは僕自身も経験のあることだったのでとても共感しました。

本は知識を得るためだけのものでなく、今の自分が何を思い何を考えているかといったことを知って整理するための、文字通り“物差し”のような存在なのだなと再認識しました。

本を読むことで磨かれる「読書力」

読書は受動的な行いに見えるけれど実際は能動的な行いだというお話も出ました。

読書には「集中力」「読解力」「想像力」の3つを合わせた「読書力」が求められ、読み続けていくことで磨かれていくと考えているそうです。

そして読書力は、相手の心情を読み取ることなど人生における様々な場面で役に立つと話されていました。

人生を盛り上げるための読書

講演の最後には、本はその数に加えて読者の数だけ感じ方があり、他者の感想に触れることもとても有意義だという話にも触れていました。たくさん本を読んで、人とたくさん語り合うことが大切とのこと。

自分の人生を盛り上げていく方法を読書によって見出していく、という言葉で締めくくられました。

山梨の読書の現状について語り合うシンポジウム

山梨の行政・出版社・書店が連携して県民の読書促進のために活動を行っている「やまなし読書活動促進事業(やま読)」による、『やまなしの読書について語ろう』と題したシンポジウムも同時開催されました。

講演された中江有里さんや県立図書館長でもある作家の阿刀田高さん、そのほか出版社や書店の代表者、在学中の大学生といった面々が「やま読」実行委員会のシンポジストとして登壇されました。

内容は『やまなしの読書について語ろう』ということで、現在における読書人口の減少を解消するべく「やま読」が行っている読書促進の活動に対して登壇者それぞれの立場から語り合うというものでした。

まずはじめに、各人の「本との出会いと関わり」についてが語られました。最初に触れた本は落語全集であったり、小説・マンガ・絵本であったりと人によって異なっていながらも、小さな頃にささいなことがきっかけで身近にあった作品を手に取ったという体験は共通していました。

どの立場でも「人」と「本」との出会いに注力している

本を人に届ける側(図書館・出版社・書店)に関係する方々は、人と本との橋渡しをすることに注力しているとのことです。

方法はそれぞれの立場ごとに異なっていても、どうすれば多くの人に本を読んでもらえるかを常に考え、本の魅了を伝えていく努力を続けているというのは同じなのだなと感じました。

やま読」でも『贈りたい本大賞』『ビブリオバトル』『スタンプラリー』といった県民参加型のイベントを開催することで、少しずつ読書人口も増えてきているようです。

「サンジョルディの日」に興味を持った

読書を促進する活動である「やま読」のきっかけにもなったという「サンジョルディの日」に興味を持ちました。

「サンジョルディの日」というはスペインで毎年4月23日に催されているイベントで、親しい人に本を送る記念日なのだそうです。

チョコを送る「バレンタインデー」と同じように日本でも「サンジョルディの日」を盛り上げることで読書促進になるのではないかという思いから、『贈りたい本大賞』など人から人へ本の魅力を伝えるイベントが生まれたと話されていました。

阿刀田先生は一例として比較的高価になりがちな絵本を祖父・祖母から孫へ贈ってみてはと提案されていました。友人同士、家族間で贈り合うのも凄く楽しそうです。

文庫本なら安価なので気軽に贈り合うのに最適かもしれません。本の選択には個性が出そうですし、会話のきっかけにもなりそうです。もらう側も自分では選ばないような作品に触れる良い機会になりますね。

読書の良さを再認識した講演会

今回の講演・シンポジウムを通じて読書の良さを再認識したことで、本を読むのがより好きになれた気がします。

同じ本に対して複数人で感想を語り合うことや、自分の好きな作品の魅力を伝えることなど、個で完結せず人と人との関わりを生み出すきっかけになりうる読書の持つ魅力に改めて気付くことができました。

僕も「読書はいいぞ」と伝えたい

僕は学生時代にはライトノベルを少し読む程度でほとんど読書の経験がありませんでしたが、自分の好きな「ゲーム」に関して書かれた新書に触れたことがきっかけで読書の面白さに目覚めました。

それからは少しずつ読書量も増え、ノンフィクションなど様々なジャンルにも手が伸びるようになりました。読書を続けることで知らないことに対する関心が昔よりも強くなった気がします。

読書したいけど何を読めばいいか迷う」という人は、学生時代に国語の授業で扱った作品にもう一度触れてみるというのもオススメです。

学生時代とはまた違った印象を感じたり、教科書では途中までしか載っていなかった作品の先を知ることができたりなど、多くの発見があるハズです。

本から得た知識がすぐに役立つかはわかりませんが、読書によって養われた集中力・想像力・読解力はどこかで必ず活きてくると信じたいです。

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六味

六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。