先日発売となったCD『アベリアの花言葉 FLOWERS オリジナルサウンドドラマ』を聴きました。 気持ちが瞬時に学院へと舞い戻って、耳が幸せになりましたよ。
※ この記事ではできる限りネタバレを避けておりますが、今作の内容・登場人物等に触れている部分もありますのでご注意ください。
サウンドドラマ「花言葉」シリーズの第三弾
『アベリアの花言葉 FLOWERS オリジナルサウンドドラマ』は、ゲーム『FLOWERS』シリーズ本編のその後を描いたドラマCDです。
本作はタイトルに「花言葉」とつくサウンドドラマシリーズの第三弾で、第一弾（ストレリチアの花言葉）・第二弾（オクサリスの花言葉）につづいて発売となりました。 それぞれ独立したエピソードが描かれているため、ゲーム本編に触れていればどれから聴いても問題なく楽しめる内容です。
まさかこんなに早く新たな物語に触れさせてもらえるとは夢にも思わなかったので情報が発表された時は飛び上がりました。
ちなみに、「花言葉」シリーズより前には本作『アベリアの花言葉』の主役の一人であるアベリア＝フロアも登場する『スノウホワイト』というサウンドドラマが販売されています。 『アベリアの花言葉』を聴くのがさらに楽しくなる内容なのでこちらも大変オススメっす！
写真によって結ばれる時間・人・想い
本作では今回の主役である沙沙貴苺とアベリア＝フロア、それぞれ違う時を同じ学院で過ごす二人の間に「写真」によって縁が生まれる様子が描かれます。
苺が二年生になった年の秋、ある卒業生が残した一枚の写真と出逢い強く心惹かれたことをきっかけに自分の進むべき道を定め、その実現のために邁進する姿。
そして、苺の心を揺り動かした写真の撮影者であるアベリアが在学時に作品発表の場を得るため奔走し、才能あふれる作品で人々を魅了していく姿。
写真というテーマの上に異なる時間軸の聖アングレカム学院の日々が写し出され交差します。
道を見つけて歩みを進める姿が眩しい
ここからはお気に入りポイントなど感想を……。
作中では登場人物の進路に関わる描写が何度か登場します。 主役の苺さんもその一人で、進むべき道の先にあまりにも大きな壁が立ちはだかったことで悩み、もがきます。
そんな姿を目にした仲間たちがそれぞれの励まし方で背中を押してくれたことで彼女は再び立ち上がるのですが、その友情や決意の様子がとても眩く映りました。
今回の物語は何かを創ったり表現する人、しようと思う人には特に刺さる内容だったのではないでしょうか。 「好きなこと・もの」との関わりについて、自分でも少し考えてみたくなりました。
八重垣さんのイケメンムーヴが炸裂してた
困っている人のところへ颯爽と駆けつけるんですよね。
あまりにもヒーロー……！
アベリアさんの存在感たるや
ドラマCD『スノウホワイト』で鮮烈な印象を与えてくれたアベちゃんことアベリアさんですが、本作では周りとのやりとりがガッツリと描かれたことでさらに厚み・存在感が増していましたね。
それに伴って級友であるダリアさん・たまきさんの学生らしい一面が垣間見られたのもすごく良かったです。 特にたまきさんのアベリアさんに対するはっちゃけぶりというか気の置けない親密な空気感がたまりませんでした。
過去の聖アングレカム学院にもきっと蘇芳さん世代とはまた違うドラマがあったのだろうなぁと空想を禁じえないので、ぜひまた活躍してほしいっす。
作品世界がより味わい深く
ゲーム本編では詳細な描写がなかった石塚教諭に声がつきビジュアルも明らかになりました。 ゲームを再確認してみたらなかなか早い段階で名前が登場していた人物なので驚きです。
過去と未来（現在）の学院をつなぐ重鎮でもあるということで、作品世界にさらなる奥行きを与えてもらええたように思います。 もっと生徒とのやりとりを見たくなる濃ゆいキャラクターでした。
また、怪談好きとのことでしたが今回は聞き役に徹してらしたので、いつか石塚教諭が語り手としてとっておきの話を披露してくれるような機会があったらと期待してしまいます。
設定の散りばめ方が絶妙
物語の中にすでに発表済みの設定やショートストーリーの内容が重すぎない程度に散りばめられているところにワクワクしてしまいました。 「黒電話の話」とか、「二人目の弟子（姉弟子がいる）」とか……。
本筋の進行に大きく影響しないくらいのバランスがなんとも絶妙です。
永遠に続いてください、マジで
およそ一年ぶりとなる新たな物語でしたが、やっぱりこの作品の持つステキな空気感はたまらないものがありますね。
耳馴染んだ楽曲とともに聞こえてくる登場人物たちの声で瞬時に学院の情景が目に浮かび「帰ってきた！」という気持ちに浸らせてもらえます。
シリーズを経るごとに作品内の時計の針が刻々と進んでいくのには嬉しいやら寂しいやらごちゃまぜな感情が湧き上がるものの、どうかこれからも聖アングレカム学院の物語が一つでも多く紡がれていってくれることを願ってやみません。
今回もすばらしい作品に触れさせてもらえて感謝で胸いっぱいでございます。
外部リンク
◆ FLOWERSサウンドドラマCD『アベリアの花言葉』 – Innocent Grey公式サイト
