任天堂のRPG『MOTHER』シリーズの公式トリビュートコミックスの第2弾『Pollyanna2(ポリアンナ2)』が発売されました。 今作も作品愛がたっぷり沁みて良い味出てましたね。
『MOTHER』公式トリビュート本の第2弾!
今もなおファンの間で根強い人気を誇るRPG『MOTHER』シリーズの公式トリビュートコミックス『Pollyanna(ポリアンナ)』が発売されてから早1年と少し。
新たなマンガ家さんを迎えた第2弾『Pollyanna2(ポリアンナ2)』が2021年10月28日に発売されました。(「ほぼ日ストア」では21日より先行発売)
少し前に『Pollyanna2』が発売決定との情報を耳にして、再び素晴らしいマンガやイラストを観られるのかと喜びに打ち震えたものです。
今回の掲載作品数は全40作品。 前作に引き続きなかなかのボリュームですね。 さらに『2』では漫画やイラストだけでなく、『MOTHER』好きな著名人(中村悠一さん、渋谷龍太さん)へのロングインタビューも載っていました。
いろいろな感情を呼び起こす、みんなの『MOTHER』像
『Pollyanna2(ポリアンナ2)』を読んで、マンガやイラストを担当された方々が見たそれぞれの『MOTHER』の景色に僕も触れさせてもらえた気がします。
仲間と冒険した楽しい思い出を描いた作品もあれば、道を違えてしまった“ともだち”のことをしっとりと描いた作品もあったりして、悲喜こもごも様々な感情が浮かんできました。
でも顔面はついニヤニヤするのを抑えきれず、終始「そうそう!……あ〜、いいよねぇ」なんて独り言が止まらない状態だったのはナイショです。
こうしてみると『MOTHER』という作品は、ほのぼのとした見た目ではあるけれど描かれていることはそればかりでは決してなくて、ほろ苦いビターな一面も併せ持っているからこそ多くの人が魅了されているのかなぁなんて改めて感じました。
おとなになってから再び遊ぶことで作品の感じ方が変わるというのも、こういった部分が影響しているのでしょうか。
4コママンガから感じる強い郷愁
今回も一枚絵のイラストや短編マンガなど、マンガ家さんたちが各々の方法で『MOTHER』への愛を表現されています。 どの作品も切り口が素晴らしい……!
その中には4コママンガも含まれており、ファンならではの目線で描かれた起承転結には大いに笑わせてもらいました。
4コママンガといえば、昔ゲームを題材にした4コママンガの単行本(「4コママンガ劇場」など)にめちゃくちゃハマっていたことを思い出します。
『ドラゴンクエスト』や『ゼルダの伝説』を筆頭に、遊んだゲーム作品の4コママンガを買い集めていたのが懐かしいです。 最近はあまり4コママンガだけをまとめた単行本って見かけなくなった気がして少し寂しくもなったり……。
と、意外な点から郷愁にかられてしまったのでした。
声優・中村悠一さんのインタビュー記事も読めて嬉しい
先に挙げたとおり『Pollyanna2(ポリアンナ2)』にはイラストやマンガだけでなく、声優の中村悠一さんやロックバンド「SUPER BEAVER」のボーカル・渋谷龍太さんといった『MOTHER』好きを公言されている方々へのロングインタビューも掲載されています。
中村さんが以前Youtubeチャンネル『マフィア梶田と中村悠一の「わしゃがなTV」』やSNSなどで『MOTHER』グッズの購入報告されているのを見聞きして気になっていたので、今回のインタビューで中村さんの思う『MOTHER』の魅力について知ることができたのが嬉しかったです。
言葉を扱う声優さんならではの視点で『MOTHER』に登場する言葉に着目して語られていたのが印象に残りました。
渋谷さんのインタビューはご自身の趣味である落語と結びつけた作品解釈を語られていて(立川談志さんがお好きとのこと)、ユニークな切り口の内容に興味津々で読んでしまいました。
『MOTHER』の生みの親である糸井重里さんも落語がお好きだそうで、作品における意外な共通点を教えてもらえたような気がします。
どちらも同じ『MOTHER』という作品について語っていながらも、それぞれ全く違った内容のインタビューになっているのが面白いですね。 遊んだ人の数だけ作品の表情が異なるように感じられます。
『3』の登場も期待してしまう
数多くのファンによる『MOTHER』愛がこれでもかというくらいあふれていた『Pollyanna2(ポリアンナ2)』。 今回も充実の読み応えでございました。
このトリビュート本を読むと世の中にはたくさんの『MOTHER』ファンがいるんだ、みんな『MOTHER』が大好きなんだ、と感じさせられます。
これまで点在していた一人一人の『MOTHER』に対する気持ちが『Pollyanna』でつながり合って大きな輪のようになっていることに高揚感を抑えられません。
今の時代、自分の思いを発信するのは手軽になりましたが、それぞれの声がこういった形でひとつになってお祭りごとのように盛り上がれるというのは貴重な機会だとも思いました。
『Pollyanna』そして『Pollyanna2』と続いて勢いを増していく『MOTHER』への熱量の大きさに、さらなる『3』の登場をどうしても期待してしまいます。