先日、山梨県立美術館で開催中の特別展『狩野芳崖と四天王』と山梨県立文学館で開催中の企画展『津島佑子展 いのちの声をさかのぼる』を観てきました。敷地内の木々も少しずつ紅葉がはじまっていてキレイでした。
山梨県立美術館・特別展『狩野芳崖と四天王』
現在、山梨県立美術館で開催中の特別展『狩野芳崖と四天王 近代日本画、もうひとつの水脈』。美術史に詳しくない僕でも耳にしたことがあるくらい日本画の歴史に大きく関わっている「狩野派」。題のとおり、狩野芳崖をはじめとする狩野派の画家たちが残した日本画が集められている展覧会です。
会期は前期・後期に分けられており、それぞれで大きく展示替えが行われるとのこと。ちなみに前期は11月26日(日)までとのことです。
大迫力かつ繊細に描きこまれた作品たち
今までによく目にしてきたのは西洋画の展覧会がほとんどで、日本画に関しては歴史も含めてあまり詳しく知らない状態で観賞に臨みました。それでも、目の前に飾られた大小様々な大きさの日本画はどれも魅力的で、いつまで観ていても飽きないくらい観賞を楽しむことが出来ました。
特に入り口すぐに飾られていた『大鷲(狩野芳崖)』のあまりの巨大さにはしばらくのあいだ釘付けにされてしまいました。この『大鷲』は「前期」限定の展示らしいので、展示替えの前にぜひ大きさを体感してみてほしいです。
その他、今回の展示で僕がグッと心をつかまれたのが岡倉秋水の『矢面』という作品です。(たしか、こちらも「前期」限定)
戦いの構えをとる武士たちの集合絵なのですが、画の構図といい武士たちのポージングといい、物凄くカッコ良くてピリピリと緊張感まで感じさせるような作品でした。先に進んだあともどうしても後ろ髪をひかれてまた戻ってしまうくらい印象に強く残った一枚でした。
今回の特別展の観賞を機に日本美術に対する興味を強くそそられました。美術史は世界も含めると途方もなく幅広いですが、自分の国が生み出した美術についてもしっかりと知識を取り込んでいきたいです。後期の展示も楽しみだなぁ。
展覧会情報
山梨県立美術館 特別展
『狩野芳崖と四天王 近代日本画、もうひとつの水脈』
【会期】2017年11月3日(金)~12月17日(日)
前期:11月3日~11月26日
後期:11月28日~12月17日
その他、休館日などの情報は公式サイトにてご確認ください。
山梨県立文学館・企画展『津島佑子展』
美術館をあとにして、そのまま山梨県立文学館で開催中の企画展『津島佑子展 いのちの声をさかのぼる』も鑑賞してきました。
近代文学の作家として知らない人はいないであろう太宰治(本名・津島修治)。その娘である津島佑子の作品と生涯についての展覧会です。
太宰治については作品をいくつか読んだりして知っていましたが周辺の人々については詳しくなく、恥ずかしながら太宰治に娘がいて、しかも作家だったというのは初耳でした。もっと手広く本を読んでいかなくては……。
作家の誕生から最期までについてが多彩な資料とともに
展示は津島佑子の誕生からはじまり、作家としてデビューするまでの経緯、家族との暮らし・別れ、生み出してきた数々の作品などについてがたくさんの資料とともに解説されていました。
作品原稿や写真だけでなく、実際に使用していた椅子が飾られていたり、本人の肉声が収録された映像が用意されていたりと、事前情報なしでもどのような人だったのかがよくわかる内容になっていました。
今回の展覧会でどのような作品を書かれていたのかを知ることが出来たので、僕の中の「読んでみたい作家リスト」にまた一人名前が増えました。知らない作家に関する展覧会でもそれをきっかけに作品に触れる足がかりになったりするので、こういった機会はとても貴重でありがたいものです。
展覧会情報
山梨県立文学館 企画展
『津島佑子展 いのちの声をさかのぼる』
【会期】9月23日(土)~11月23日(木)
その他、休館日などの情報は公式サイトにてご確認ください。