集英社が季刊発行している雑誌『kotoba』の2020年春号に、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦先生の記事が載るとのことでゲット。
『kotoba』を読むのは初めてでしたが、興味深い内容が文量たっぷりで、気になる雑誌がまた増えてしまいました。
この世にはびこる「悪」について論じられた特集「悪の研究」
集英社が年4回発行している季刊誌『kotoba』の最新号(2020年春号)にて、「悪の研究」と題した特集が組まれています。
表紙にマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する名悪役「DIO(ディオ)」が大きくプリントされているとおり、作者の荒木飛呂彦先生も「悪」について記事を書かれています。
人ならざる存在となり非道の限りを尽くしながらも読者から絶大な人気を誇る「DIO」というキャラクターにスポットをあて、「悪」にも関わらず人を強く惹きつけるのは何故なのか、その魅力ついて荒木先生自らが考察されていました。
「善・悪に関わらず確固たる信念を持つ」・「ジョジョのキャラは常に上昇志向」など先生の著書(『荒木飛呂彦の漫画術』)などで語られてきた荒木先生流の創作論をおさらいしつつ、敵役であるDIOの側から『ジョジョ』という作品を見つめ直しているのが新鮮です。
そのほか、往年のホラータイトルや映画『ジョーカー』、マンガ『闇金ウシジマくん』などの作品たちも取り上げながら、荒木先生の考える「悪」・「恐怖」についてが語られていて興味深く読ませてもらいました。
やっぱりインプットとして様々なジャンルの作品を欠かさずチェックされているんですね……!
そのほかの記事も夢中で読んでしまった
今回は荒木先生の記事が目的で初めて『kotoba』を手に取ったのですが、こんなに面白い雑誌があったのかと驚いています。
特集のテーマである「悪」という切り口からフィクション・ノンフィクション・国内・国外を問わず、様々な視点から世にはびこる悪についてが論じられていて、最後のページまで息つく間もなく読み進めてしまいました。
その内容もフフッと笑いがこぼれる微笑ましい悪から、現実とは思えないような社会に潜む悪に至るまで、振り幅が非常に大きい論文の数々に頭がクラクラしました。
厚みもそこそこ、中身は文字たっぷりのかなり読み応えある雑誌なので、はたして今後もどんな特集が組まれるのか、気になります。
過去の号も凄く気になる……のに在庫なし!
あまりに面白かったのでバックナンバーについて調べてみたところ、これまでにも荒木先生が寄稿された号がいくつも見つかったりして驚きです。
当時は全く気付いていませんでした……。 なんたる不覚ッ!
ちなみに、荒木先生が寄稿されたのは下記の号らしいです。
- 2014年冬号「美術館を発見する」特集
- 2016年春号「映画と本の意外な関係」特集
- 2018年春号「ブレードランナー2019-2049」特集
- 2019年夏号「シャーロック・ホームズとコナン・ドイル」特集
慌てて探してみたものの見事に在庫なし……。 書籍の中でも、特に雑誌は一期一会の感が強いですねぇ。
こればかりは仕方がないので、またどこかで巡り会える日を夢見て。
◆ 「kotoba」バックナンバー – 集英社公式サイト