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最後のページまで、泣くんじゃない。『Pollyanna(ポリアンナ)』を読む。

総勢35名の漫画家・作家による任天堂の人気RPG「MOTHER」シリーズのトリビュートコミックス『Pollyanna(ポリアンナ)』が発売されました。 どのページからも作品愛があふれる、とても良い一冊でした。

“ほぼ日『MOTHER』プロジェクト”の第一弾となるコミック

「MOTHER」のトリビュートコミックス『Pollyanna(ポリアンナ)』は、ゲーム『MOTHER』シリーズが大好きな35名の漫画家・作家によるマンガやイラストが作品愛とともにたっぷり詰まった書籍です。

2020年4月末に突如として発表された“ほぼ日『MOTHER』プロジェクト”という、この作品の生みの親である糸井重里氏が率いる「ほぼ日」が『MOTHER』シリーズに関する様々なコンテンツや商品を展開していく企画の商品第一弾として、この本が発売されました。

それぞれのカタチで描かれる、それぞれの思い出

参加された漫画家・作家の方々の作風は幅広く、エッセイ風に『MOTHER』というゲームに関する思い出を語っていたり、ゲーム内のネタを面白おかしく4コマ漫画にしていたり、ドット絵でしか描かれていないゲーム世界を自分なりに掘り下げてイラストやマンガで表現していたり……と、飽きのこない構成で最後まで一気に楽しませてもらいました。

それぞれが取り上げているシリーズ作も『1』〜『3』(または全部)と様々で、人によって心に深く突き刺さった作品が違っていることが感じられて興味深かったです。

みんな違った視点から『MOTHER』について描いていながらも、どれに対しても「そうそう! わかる〜!」とまるで近しい友達と同じ作品について楽しく語り合うような不思議な気分で読み進めました。

読んでいるあいだ自分の中にも初めて『MOTHER』に触れた頃の思い出がいくつも浮かんできて懐かしかったです。

《余談》 僕は『1』が大好き

『MOTHER』シリーズの中からどれか一つを選ぶとするなら、僕は『1』を選ぶと思います。 ……かな〜り悩み込んだあとで。

僕の『MOTHER』との出会いは『2』が初めてでした。 ニンテンドウ64用ソフト『大乱闘! スマッシュブラザーズ』に主人公・ネスが登場して、それをきっかけに作品を知った記憶があります。

そのしばらく後、ゲームボーイアドバンス用として『MOTHER1+2』が発売して、そこで『1』に初めて触れました。 この時に味わった『2』とはまた違う『MOTHER』の世界観が僕に思い切り突き刺さったんです。

ファミコン独特の少ない情報量で描かれた素朴な画面、それとマッチして世界が少しずつ狂い始めていることが感じられるどこか殺伐とした雰囲気、今でもふと頭をよぎるほどに印象深く残る音楽や登場人物の言葉……、どれもが思い出として強く残っています。

思い返してみると、ゲームの中に息づく世界を体感することを教えてくれたのは『MOTHER』だったかもしれません。

上手く言い表せないのですが、「かんたん」だとか「むずかしい」だとか、「面白い」だとか「面白くない」だとか、そういった感情だけでは説明できない何かをこの作品には見ている気がします。

サントラCDを聴きながら読むのがたまらない

この本を読む時に『MOTHER』シリーズのサントラをBGMとして流していたのですが、これがまたイイ。 たまらんです。

マンガの中でどせいさんが登場する時にちょうど「サターンバレーのテーマ」が流れたりなんかして、読む時の気分をずいぶんと盛り上げてくれました。

自分の中に眠る『MOTHER』を遊んだ時の思い出も見事に掘り起こしてくれるので、ぜひ試してみてください。

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ソニーミュージックエンタテインメント

《余談》 「プレイしていない1人」の文に驚き、笑う

そういえば、この本の発売が発表された公式声明の中にひとつ気になる言葉がありました。

※ あ、すみません、1名だけ、『MOTHER』をプレイしていない方がいます。

この一文を目にした時はかなり驚きました。 『MOTHER』が大好きな人を募っておきながら、“プレイしていない”とは!?

「一体誰が……」とすぐに参加された作家一覧を追ってところ、とある漫画家さんの名前を発見。 そして、さっきまでの驚きが笑いに変わりました。 単なる直感でしかありませんでしたが「おそらくこの漫画家さんが“プレイしていない1人”だろうな。 なら、許せる。」と感じさせてくれる人だったんです。 一覧の中で明らかに浮いていらしたので……(笑)

実際、本のあとがきでご本人が白状されていて面白かったです。 マンガの内容もゲームに触れていないからこそ見える視点なのかなと思って笑っちゃいました。

今後のグッズ展開にも目が離せない

本の中で紹介されていた現在開発中のグッズ案内も見所満載でした。

今回のプロジェクト発足に合わせて新規制作が進んでいるあんなアイテム・こんなアイテムはもちろん、昔発売された人気アイテムの復刻も予定されているそうなので今から楽しみです。

そして、僕が個人的に最も期待をよせている『MOTHER』シリーズに登場する「ことば」をまとめた書籍の発売も待ちきれません。

今回の『Pollyanna(ポリアンナ)』の巻末で制作途中の様子が公開されており、外観やページ構成の一部を知ることができます。 単に言葉の数々を羅列しただけではない非常に作り込まれた構成になるようで「ここまでやってくれるんですかッ!」と唸っちゃいました。

愛あふれる見事な一冊

とにかく最後の1ページにいたるまで『MOTHER』愛が詰め込まれたステキな一冊でした。

う〜ん、またゲームで遊びたくなってしまったなぁ。

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六味

六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。