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ぶらり紀行

『現代日本の工芸』展と『やまなし文化フォーラム』へ行ってきました。

先日、山梨県立美術館にて開催中の特別展『現代日本の工芸』を鑑賞したあと、県立文学館で行われた講演『やまなし文化フォーラム』を聴いてきました。

県立美術館で『現代日本の工芸』を堪能

まずは山梨県立美術館で開催中の特別展『現代日本の工芸〜国際交流基金寄託作品と山梨の工芸〜』を鑑賞。

題のとおり、工芸作品が一堂に会した作品展で、「陶芸」「漆芸」「金工」「ガラス」「硯」「砡」などの素材が作家の手によって別の形へと生まれ変わった姿を楽しむことができました。

展示は素材や製作法ごとに分類分けされて並んでおり、同じ素材であっても作家による手の加え方によって全く違うものに見えるのが面白かったです。

素材や製作法については説明文も添えられているので勉強にもなりましたし、それを踏まえて作品を眺めてみることでおそらくとても繊細であろう作家の手業に想いを馳せることもできました。

絵画作品と比べると立体作品を目にする機会は多くないため、今回のような機会はありがたかったです。 はじめは難しそうだと気後れしてしまいましたが、作品の数々を観ることで形状や紋様の美しさを楽しむ心に少し触れることができた気がします。

展覧会について

山梨県立美術館・特別展
『現代日本の工芸〜国際交流基金寄託作品と山梨の工芸〜』

【会期】 2019年11月16日(土) 〜 2020年1月13日(月・祝)
※ 休館日があります

そのほか、詳しい情報は公式Webサイトにてご確認ください。

特別展『現代日本の工芸 国際交流基金寄託作品と山梨の工芸』 – 山梨県立美術館 公式

文学館にて『やまなし文化フォーラム』を聴く

同日、近くにある山梨県立文学館にて開催された『やまなし文化フォーラム』も聴いてきました。

2018年末に制定された「山梨県文化芸術基本条例」において、11月を「やまなし文化芸術推進月間」とすることが決まり、その事業の一つとして開催されたのがこの『やまなし文化フォーラム』とのこと。

人々にとって文化芸術の存在がより身近になるために県をあげて活動していくというのはなかなかステキだと思います。 “若者を中心に”という文言はあるものの、老若男女問わず多くの人が文化芸術に触れるきっかけになるとイイですね。

今回の『やまなし文化フォーラム』では、はじめに山梨出身のミュージシャン・藤巻亮太さんによる「私が影響を受けた山梨の文化芸術」と題した講演会があり、そのあとには山梨出身の小説家・神永学さんと前述の藤巻さんに加えて地元の高校生・大学生たちを交えた「文化芸術で山梨を元気に!」と題するパネルディスカッションも行われました。

全体をとおしての司会・進行は山梨出身のキャスター・河西歩果さんが務められ、時折、他の登壇者と山梨ゆかりのトークにも花を咲かせていました。

藤巻亮太さんによる講演「私が影響を受けた山梨の文化芸術」

音楽バンド・レミオロメンとしてデビューされ、現在はソロで音楽活動をされている藤巻亮太さんによる講演は、表題の「私が影響を受けた山梨の文化芸術」に関する内容のほか、現在の学生さん向けた言葉として藤巻さんの学生時代についてや音楽との出会いなどについてが語られました。

なかでも僕の印象に残ったのは、藤巻さんが考える“創作や自分を成長させることにおける大切なことについて”のお話で、「情報を得る(感じる)こと」と「得た情報についてひたすら考えて繋ぎ合わせること」の二つが非常に重要なのだそうです。

「行き詰まってしまった時には、まず現状を受けて止めて自分が変わる努力をしなくてはいけない」、「とにかく身の周りの色々なものから学んでいくことが大事」だとも話されていました。

この講演は若者(現役学生さんたち)に向けたものとのことでしたが、人生の先輩による言葉の数々はとうに学生ではない僕にも勇気を与えてくれたように感じます。

刺激的な意見交換を見せてくれた「パネルディスカッション」

休憩をはさんで、壇上には新たに小説家・神永学さんと県内の学校に通う高校生・大学生が招かれ、「文化芸術で山梨を元気に!」と題したパネルディスカッションが行われました。

まずはじまった自己紹介を聴いて驚いたのが、みんな多種多様な文化芸術に触れているということでした。 ピアノやサックスといった楽器演奏、読書・執筆活動、芸術鑑賞、アニメ・マンガ鑑賞など、それぞれが自分の趣味を楽しそうに話す姿にこちらもワクワクさせられました。

中には100万再生を超えるピアノ演奏YouTuberとしての一面をもつ高校生もいたりして驚きです。(会場では拍手が)

ディスカッションの流れは表題のとおり、山梨における文化芸術の魅力とその発展についての意見が交わされていました。

それぞれが自分の目線・立場からアイデアを発しており、「観光名所にストリートピアノを置いてみては?」・「アニメに登場したお祭りを再現して開催しては?」など、僕には無い視点から出る意見の数々がとても刺激的でした。

それでいて決してムチャではない、よく考えられた建設的な討論となっていて、聴いているこちらもつい「それ面白そう!」と深く頷いてしまうタイミングが何度もありました。 自分が学生の頃って、こんなにしっかりしていたか知らん……。

最後に大きなサプライズ

そして、文化フォーラムも終わりに近づいた頃、なんと特別に藤巻さんが歌唱してくださることに……!

アコースティックギターを携えマイクを通さずに歌っておられましたが、声の通りの良さに心震える歌声で聴き惚れてしまいました。 こりゃあ、得しちゃいました。

文化芸術に対する意識を高める良い時間だった

今回のお話を聴いて考えたのが「文化芸術が誰にでも身近になることで、より気軽に触れられて、より気軽に発信ができるようになったら良いな」ということでした。

僕も含めて一人一人が身の周りにある文化芸術の存在について知り・触れて、それに刺激されて自分でも何かを発信してみる。 そして、それらがまた別の誰かの刺激となって新たな文化芸術が生まれる……というような循環ができれば有意義だろうなぁと思います。

当日鑑賞した『工芸』展の中に“旅の中で出会った空と海の青さ”を工芸品で表現した作品がありました。 それを観た上で文化フォーラムでの話を聴いて、文化芸術は触れて楽しむだけのものでなく自分自身を表現するための手段にもなるんだと感じています。 実際、打ち込んでいる趣味(文化芸術)について学生さんたちが話す姿はとても魅力的に映りました。

それぞれが独立して存在していたジャンルのものたちが「文化芸術」という大きな枠組みの中で繋がることによって、これまでにない意外なコラボレーションが発生したりするといった可能性が生まれたことに今後の期待が高まります。

僕もより気軽に文化芸術に触れていきたいなぁという思いにさせてくれる良い時間を過ごすことができました。

《余談》 藤巻さんも志の輔さんがお好き

藤巻さんが「好きな文化芸術」について触れた際に挙げられたのが『落語(立川志の輔さん)』でした。

僕も好きで通っている山梨県民文化ホールでの落語独演会にも足を運んだことがあるのだと聴いて驚いてしまいました。 もしかしたら会場でニアミスしていたかも……!

ちなみに、好きすぎて志の輔さんの落語CD・DVDは全て買い尽くしてしまったそうです(笑)

僕もDVD欲しいなぁ。

《余談2》 神永先生の『八雲』短編集が出ましたな

神永学さんの代表作のひとつ『心霊探偵八雲』の短編集が電子版限定で発売されましたね。

『八雲』シリーズは大好きなので早く読まなくては。 つ、積ん読の塔が……!

なんとなく『八雲』シリーズは紙版にこだわって集め続けているのですが、この短編集は今のところ電子版限定とのことです。 反響次第では紙版も発売されるかも……とのことなので注目していきたいと思います。

ぶらり紀行

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六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。