2018年4月に山梨県立図書館の館長に就任された言語学者・金田一秀穂先生の講演『AIと言葉』を聴講してきました。ユーモアあふれる話し方で会場を沸かせながらも、コンピューター技術が発達した現代における課題について言及されていました。
金田一秀穂先生について
今年(2018年)4月、山梨県立図書館の館長を務められた作家・阿刀田高先生が退任され名誉館長へ。そして、新たな館長として金田一秀穂先生が就任されました。
金田一秀穂先生は日本語学の権威として知られ、現在は大学教授として教鞭をとっていらっしゃるそうです。テレビ番組などのメディアへも多数出演されているので、そちらの方が馴染み深い人も少なくないかもしれません。
僕はNHKの『高校講座』の「ベーシック国語」で金田一先生を知りました。ファッションモデルの滝沢カレンさんとの楽しげなかけ合いを目にして「なんだか面白い先生だなぁ」と感じたのを覚えています。
ユーモアたっぷりながら、考えさせられる内容だった講演
今回の『AIと言葉』と題した講演では、発達したコンピューター技術の一例として囲碁でプロ棋士に勝利したAI(人工知能)などの話題が挙げられたり、小さな自動翻訳を使って金田一先生が話した言葉を瞬時に英語へ翻訳する様子を紹介されました。そして、そうしたコンピューターによって便利になった現代とこれからの未来において人間が“学習すること”や“他者とコミュニケーションすること”の意味・意義について考えていく必要がある、という問いが投げかけられました。
難しい用語を用いずにAI(人工知能)などの概要を説明されていたので、コンピューターの専門でない聴講者にもわかりやすくお話を聴くことができました。また、金田一先生の話し方も茶目っ気たっぷりで面白く、たびたび飛び出すジョークに会場が笑いに包まれていたのを思い出します。
終始和やかな雰囲気で進んだ心地よい講演でしたが、内容については考えさせられることも多く、ただ便利だとしか思っていたなかったコンピューター技術・AI(人工知能)に対する意識の角度が少しだけ変わったような気がします。