近頃は時勢の関係で家の中で時間を過ごすことが多くなりました。 その一環でじっくり腰を据えてDVDを観たりする時間も増えています。
今回はウルトラマンの制作現場を描いたTVドラマを収録したDVD『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』を観てみました。
ウルトラマンの制作秘話をドラマ化したDVD
『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』は、1989年に放送された同名のTVドラマとそのドラマのメイキングやインタビュー映像を収録した2枚組のDVDです。
TVドラマはタイトルのとおり特撮番組『ウルトラマン(初代)』を生み出した当時の円谷プロでの制作現場を題材にした内容で、1人のテレビマンが「特撮」と出会って『ウルトラマン』を作り上げていくなかで成長していく青春ストーリーが描かれます。
特撮の生まれる場所である円谷プロを舞台に、物作りにかける男たちの情熱や努力、挫折、苦難を乗り越えた先に掴む成功……さらには恋愛に到るまで、2時間弱の物語にたくさんのドラマが詰め込まれていました。
もちろん特撮シーンもたっぷり入ってます
『ウルトラマン』を題材にしているので、もちろん特撮シーンも盛りだくさんです。 しかも、制作現場を描いたドラマなので撮影の裏側を楽しめるというのがたまりません。
怪獣がミニチュアの街を次々と破壊・炎上させる様子、そこに現れたウルトラマンとの死闘といった、僕らが特撮番組で本物と錯覚するくらい熱中して観た映像が実際にはどのように撮影されたのかが再現されています。
背景と同じ色に塗ったピアノ線で吊られた戦闘機、ドライアイスで表現された雲、人力で吊り上げられる怪獣の着ぐるみなど……CG合成の技術が発展の途上にあった時代に創意工夫によって僕たちの想像を超える素晴らしい映像を生み出していた当時の制作現場について知ることができる、とても貴重なドラマ作品だなぁと感動しました。
2枚目には特撮技術の解説やインタビューが収録
DVDの2枚目には、このドラマの撮影の様子を映したメイキング映像のほか、ドラマと当時『ウルトラマン』の制作に携わった関係者の方々へのインタビュー映像が収録されており、こちらもたっぷりと楽しませてもらいました。
個人的には、ドラマの中での撮影シーンを参考に特撮技術を解説しているコーナーがたまりません。 ドラマとしての再現映像ではあるものの、撮影設備などはかなり本格的だったので「実際もこんな感じなんだ!」と思いをはせておりました。
特撮作品ではおなじみの機体や家々が炎上するシーンでは本物の炎(燃料にはガソリンを使うことも)を扱いながら撮影しているとのことで、ドラマで語られるとおりまさに命がけで素晴らしい作品が生み出されているんですね。
特撮作品がどのように作られているかが気になっていた僕にとってはメチャクチャありがたい資料映像でした。
《余談》 解説本と照らし合わせるのも面白い
このドラマでは当時『ウルトラマン』の制作に携わった実相寺昭雄さんが主人公のモデルとなっており、劇中で取り上げられる怪獣やエピソードも実相寺さんが担当されたものがメインで登場します。
シーボーズやスカイドンといった怪獣、ハヤタの変身シーンでカレースプーンを持たせた話などがドラマの中には登場するのですが、実際の制作現場の様子を知るために『ウルトラマン』の解説本などを読んで補完するのが楽しいです。
もっと特撮の舞台裏に関する知見を広めたい
今回のドラマを観たことで特撮作品の制作のウラ側について、とても興味が湧いてきました。
当時の制作関係者の証言をまとめた書籍などもたくさん発売しているようなので、特撮作品そのものだけでなく制作の舞台裏についてももっと詳しく知っていきたいです。
……ここまで書いていて急に思い出したのですが、そういえば小学生の頃に図書室で円谷英二の伝記を読んで同じように興奮したことがありました。 僕の本質は何年経とうとも変わっていないみたいです。