“一年を振り返る”シリーズ、今回は2018年の「アニメ」と「映画」を振り返ります。
アニメについては数が多いので、特に気に入った作品をピックアップしております。
【アニメ】ハイスコアガール
押切蓮介先生によるマンガが原作となっている「ゲーム」を題材にしたアニメです。主人公の少年・ハルオと彼を取り巻くキャラクターたちが実在のアーケードゲームや家庭用ゲームを楽しむ日常(と淡い恋愛模様)が描かれています。
作品開始時は小学生だったハルオたちが物語の進行とともに中学生へと成長していくのですが、登場するゲーム作品も時代に合わせて忠実に変化していくところがグッときます。
ゲームの進化に対する思いをハルオが感慨深く語るシーンでは、同じ思いを抱いた覚えのあるゲームファンとして「あるある!」とうなずいてしまいました。
『ストリートファイター』シリーズをはじめとする実在の名作たちのゲーム画面・音楽が次々と登場するので、物語はもちろん「あんなゲームやこんなゲームまで!」といった楽しさにも注目です。
【アニメ】SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)
20年以上前に実写特撮ヒーロー番組として放送されていた『電光超人グリッドマン』がアニメとして生まれ変わった作品です。小さい頃に実写版を観た記憶があり、今でも作品名や主題歌をハッキリ覚えていたので制作発表を知った時には驚きました。
『電光超人グリッドマン』がベースとなっている作品ということで「どこかに実写版と関連したシーンが登場したりしないかなぁ」なんて期待をしながら観ていたのですが……これは観た人だけのお楽しみということで(笑)
発表当時は「アニメで特撮って、大丈夫なのかな……」という一抹の不安はあったものの、結果としては杞憂に過ぎませんでした。登場する怪獣やグリッドマンのアクションなど、端々にしっかりと“特撮感”が感じられるアニメになっていて満足です。
【アニメ】ゾンビランドサガ
これは僕が観た今年のアニメの中で完全にダークホースな作品でした。
“ゾンビとして蘇った女の子たちがアイドルグループを結成して佐賀県の町おこしを目指す”という、誰がどう見ても「何じゃそりゃ!」なストーリーのアニメなのですが……これがまさかのめちゃくちゃ面白いという。
第一話で上記のハチャメチャなストーリーを見せられて「これはまたトンデモないギャグ作品が出てきたな」と思っていたのですが、話数を重ねる中でちゃんとしたアイドルものらしさも感じられるような物語も展開していき、最後にはちょっと感動させられてしまうくらいゾンビアイドルに魅せられていました。
ゾンビがアイドルというかなり振り切った設定でありながらも、各話とても丁寧にキャラクターたちが表現されていることで不思議なバランスをもった作品になっていると感じます。
トンデモ設定でも決して大味にしてしまわず、真っすぐ大真面目にギャグをやっている作品が大好きです。
【映画】リズと青い鳥
アニメ『響け!ユーフォニアム』のスピンオフ作品として作中に登場する2人のキャラクターにフォーカスを当てた劇場アニメで、武田綾乃先生の小説『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』がもとになっています。
TVシリーズとは違った監督さんが担当されているとのことで、作風がまたガラリと変わった映像作品になっていたのが印象的でした。キャラクターデザインが少しだけリアル寄りな見た目になっているのも物語の内容とよく合っていたように感じます。
この作品の主人公である二人のキャラクターが見せるお互いへの想いが言葉でなく動作や間によって表現されているところがたまりません。アニメーションの持つ表現力の奥深さを垣間見た思いです。
先日、ブルーレイ・DVDが発売されたものの観る時間が無いなぁと購入を迷っていたのですが、結局ガマンできずゲットしてしまいました……(笑)
【映画】劇場版 若おかみは小学生!
これも凄く良い映画でした。原作は児童文学として20巻以上もシリーズを重ねた長寿作品で、映画の前にTVアニメが放送されていました。
映画公開前に発表されたTV版とはまた違うテイストの絵をひと目見て「これは面白いはず!」と勘が働いて観に行きましたが想像以上の素晴らしさでした。
両親を事故で失った女の子が主人公の物語ということで全体にどこか切なさをはらんでいるものの、仲間たちやお客さんとの出会いを経て前へ進んでいく主人公の姿には、大人も子どもも元気をもらえるのではないでしょうか。
来年には作品に関する美術設定などが収録されたアートブックの発売も控えているとのことで楽しみにしています。