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最高のリメイクだった『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女 COLLECTOR’S EDITION』

NintendoSwitch用ソフト『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女 COLLECTOR’S EDITION』を手に入れて、両作品ともエンディングまで遊び終えました。 控えめに言って、最高です。

ディスクシステムの名作ADVが奇跡のリメイク

かつて任天堂がファミコン・ディスクシステム向けに発売したADV(アドベンチャー)ゲーム『ファミコン探偵倶楽部』シリーズが、2021年の現代にNintendoSwitch用ソフトとしてリメイクされ蘇りました。

『ファミコン探偵倶楽部』シリーズは『消えた後継者(第1作目)』と『うしろに立つ少女(第2作目)』の2作品あり、それぞれ異なる舞台で巻き起こる殺人事件の真相を明らかにするために捜査を進めて謎を紐解いていくというコマンド選択型のアドベンチャーゲームです。

ミステリー・サスペンス要素がふんだんに盛り込まれており、任天堂の作品としてはあまり類を見ないダークな雰囲気をまとった物語に僕は思いっきり魅了されてしまいました。

このシリーズが本当に大好きで、初めて遊んだあの日から今もずっと心に残り続けている思い出深い作品です。

そして今回、2作品ともにNintendoSwitch向けにグラフィックや音楽が一新、各キャラクターに声がつく(フルボイス)など新要素も加えられたリメイク作品として発売されることが発表されて、飛び上がるくらい喜んでしまったのでした。

どちらもダウンロード専売。パッケージは初回限定版のみ。

NintendoSwitch版『ファミコン探偵倶楽部』は『消えた後継者』・『うしろに立つ少女』ともにダウンロード専売のソフトです。

ただ、初回限定の『COLLECTOR’S EDITION(コレクターズエディション)』には2作品が1本のゲームカードに収録されたパッケージ版がついている仕様なので、パッケージ版をお求めの人はそちらがオススメです。

『コレクターズ…』にはゲームソフトだけでなく、ファミコン(FC)版・スーパーファミコン(SFC)版の楽曲を網羅した2枚組サウンドトラックCDや、リメイク版・FC版・SFC版の制作資料などが収録された冊子、FC版2作品発売当時のチラシ(復刻版)といった豪華な特典もついています。

『コレクターズ・エディション』の特典が本当に素晴らしかった

僕は迷わず初回限定の『COLLECTOR’S EDITION(コレクターズエディション)』をゲットしましたが、こちらを選んで大正解でした。

まず「サウンドトラックCD」は、SFC版の楽曲が収録されている点が非常にポイント高いです。 僕の記憶ではSFC版の楽曲がCD化されるのはこれが初だったと思います。

FC版については過去に発売した『ディスクシステム・レアセレクション』というサントラCDに、『タイムツイスト』や『遊遊記』とともに『ファミコン探偵倶楽部』2作品の楽曲が収録されていました。 (残念ながら現在はプレミアがついている模様)

次に「探偵ファイル(冊子)」ですが、こちらもトンデモないお宝でしたね。

計174ページからなる冊子で、リメイク版に登場するキャラクターの立ち絵ラフデザイン背景美術物語の全容(ゲーム画面付き)が掲載されており、「ネタバレ注意」の警告が書かれた帯で封印されているのも納得の濃密な内容でした。

個人的にグッときたのは、各ロケーションの見取り図がしっかりと設定されていたことです。 作品内の位置関係が判明したことで、物語への没入感がより増したような気がします。

そして、なんといっても目玉は冊子の後半に掲載されているFC版・SFC版の制作資料たちです。

パッケージやチラシイラストのラフデザインや、ゲームの仕様書(一部)など垂涎モノのお宝資料が眼前に広がっていました……!

『消えた後継者』のキーとなる「綾城家」がどのように発展を遂げてきたかという、作中では詳しく語られなかった裏設定もビッシリと仕様書に書き込まれていて、「こんなところまでしっかりと考え込まれていたのか……!」と驚かされています。

他にも、SFC版の中に登場する一枚絵の下書きFC版・SFC版の全チラシも掲載されていたりして、もう『設定資料集』とか『アートブック』みたいな名前で別売りされていてもおかしくないくらいボリューム満点です。

とにかく初めて目にするような資料ばかりで、公式からの突然の供給量にちょっと心が追いつかなくてどうにかなりそうでした。 まさか時を超えてこんなにたくさんの情報に触れられるとは……!

そして、巻末にはシリーズ生みの親である坂本賀勇さんと今回のリメイク版の仕掛け人・MAGES.の浅田誠さんからのメッセージが載っているのですが、作品ファンとして涙ナシには読めませんでした。 クリア後だったこともあって、どのお言葉も沁みる沁みる……!

リメイク版は文句のなしのクオリティ。

さて、肝心のゲーム内容なのですが……リメイク決定という情報の時点で+5億点だったことを差し引いても、もう文句なしのクオリティです。

場面が切り替わるたびに、新しく生まれ変わった「ファミ探」を実感してため息を漏らしてしまい、なかなかプレイが進まなかったくらい絶妙に原作の良さを残したリファイン具合で。 もう最高。

キャラクターデザインや背景美術がFC版・SFC版の思い出+自分の頭の中で美化された記憶と見事なほどマッチしていて違和感ゼロでした。

新たに搭載されたキャラクターの声についても、声優さんの人選がすばらしくみんなイメージ通りに喋っていてすごかったです。 ボイス搭載のゲームで全セリフを飛ばさず聴き入ったのは初めてかも……。

ヒロインの「あゆみ」ちゃんの声が皆口裕子さんというところには特にグッときちゃいました。 今では幻となっている外伝作品『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』でもあゆみちゃんの声を担当されていた皆口さんが再び……というのがなんとも粋ですなぁ。

音楽のアレンジも絶妙。 サントラ発売しておくれーッ!

遊ぶ前から気になっていたのが「音楽」でした。

数あるゲーム音楽の中でも『ファミコン探偵倶楽部』の音楽は特にお気に入りなので、今回のリメイクにおいても個人的に注目しているポイントだったのです。

NintendoSwitch版の楽曲は、FC版の良さを壊さぬ絶妙なアレンジだと感じました。 振り返ると、シリーズのうち『うしろに立つ少女』は過去にスーパーファミコンで一度リメイクされており、その時のアレンジはガラリと楽曲の雰囲気が変わっていました。

そんな経緯もあってアレンジの方向性は気になっていたのですが、今回のアレンジは両作品ともFC版の雰囲気から離れすぎず音数が増していて豪華になったという印象を受けました。

すでにSFC版のアレンジを経ている『うしろに立つ少女』の楽曲も、FC版と同じキー(調)が改めて採用されていたりして、SFC版とはあえて違う方向性でいくことが明示されているようにも感じます。 (エンディングの曲調にも驚いた)

個人的に音楽はSFC版至上主義のようなところもあったのですが、遊び終えてからは頭の中でリフレインされる楽曲がリメイク版のものに変わっていました。 場面ごとに長く聴くことになる楽曲も聴き疲れることなく馴染んでいる良いアレンジだと思います。

最終的に僕が言いたいことは……リメイク版のサントラCDも出してくださ〜いッ! (ゲームに某モードは搭載されていますが、しかし!)

《余談》「設定」から過去作のBGMへの変更可能でニヤリ

システム設定の画面を眺めて気付いたのですが、アレンジされたBGMだけでなくFC版・SFC版(SFC版は当然『うしろに立つ少女』のみ)の楽曲へ変更することもできるという豪華仕様なんですね。

BGMだけでなく文字フォントも滑らか綺麗な字体だけでなく、ドットで構成されたどこか懐かしいフォントも用意されているあたり、シリーズのファン層のことがよく理解されている気がします……(笑)

物語に影響のある仕組みではないものの、こういう細かな配慮にはグッときてしまいます。

《余談その2》とあるキャラクターの演出には見事にだまされた

リメイク版をプレイする前に過去作を一気に遊び直していたおかげでリメイクによる細かい違いがハッキリと感じ取れました。

今回のリメイクにあたって「ここはさすがに作り変えられるだろうなぁ」という箇所があったんです。 『うしろに立つ少女』に登場する、とあるキャラクターなのですが……。

そのキャラの設定と叙述トリックのような演出が、現代での人物描写の在り方やボイス追加というリメイク方針とうまく噛み合わないのではという気がしていました。

結局、予想通りそのキャラはリメイク版では登場しなくなっていたのですが、その代わりとして登場した別のキャラが違った方向性の演出によって元と似た驚きを与えてくれたのは面白かったです。

「居なくなってしまったのかぁ」と残念に感じていたところだったので、完全にふいうちを喰らってしまいました。 元の良さをできる限り壊さずに、時代に即した演出に作り変えているというのがすごいです。

ちなみに現在「WiiU」または「(New)ニンテンドー3DS」のVC(ヴァーチャルコンソール)で過去作も楽しめますので、ぜひ。 それぞれ違った味わいでイイんです。

ゲームでこんなに興奮したのは久しぶりかも

今回リメイク版『ファミコン探偵倶楽部』に触れてみて感じたのは、自分はこんなにもこの作品のことが大好きなんだという気持ちです。

ひとつひとつの場面で遊ぶ手を止めて、穴が空くくらい画面を眺めて感嘆のため息を漏らしたり、アレンジされた音楽を延々と聴き続けてしまったり……とにかくエンディングに到るまでここ最近では覚えのないくらい感情を激しく揺さぶられました。

ジャンルを問わず気に入っている作品は数多くありますが、その中でも突出した「大好き」という感情をこの作品を通じて実感させられた心地がします。

今作は“『ファミコン探偵倶楽部』のリメイク”ということを抜きにしても、現代のADVゲームとして十分に渡り合える作品としてのポテンシャルを強く感じるものになっていました。

特異なゲームシステムでなくとも、魅力的なキャラクター・舞台・物語、それらを描く優れた演出によってこれだけ上質な作品となり得るのだという事実は、一ゲームファンとしてすごく感慨深いものがあります。

とにもかくにも、今回のリメイクに関わられた全ての方々に心から「ありがとう」の言葉を贈りたいです。

『ファミコン探偵倶楽部』、やっぱり大好きっす……!

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六味

アニメゲームが大好き。最近は美術館へ足を運ぶことにもハマっています。このブログでは触れた作品や訪れた場所についての感想などを書いています。