先日発売されたイラストレーター・左さんの画集『vioLet』を読みました。 待ちわびましたぜ。
アニメ・ライトノベル関連が主軸の初画集
『vioLet』は、イラストレーターとして活躍されている左さんがこれまでに手掛けた作品の中からご自身が選んだ150点以上ものイラストが収録された画集です。
掲載作品はアニメ・ライトノベル・CDジャケットに焦点を置いた内容となっているとのことで、具体的な作品は下記のとおりです。
(公式サイトより)
- VOCALOID
- 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
- 荒野のコトブキ飛行隊
- ささみさん@がんばらない
- シュレディンガーの猫探し
- 東方Project
- 夏色キセキ
- 鳴野みくす
- Phantom in the Twilight
- フラクタル
- ROOMMATE
- ロードス島戦記
- その他オリジナルイラストなど
また、紙版にのみアニメなどのキャラクターデザイン(設定資料)がまとめられた別冊のイラスト集『leafLet』も付属しています。 設定画ってワクワクしますよね。
ちなみに今回の画集にはゲーム関連を含む他ジャンルのイラストの掲載はありませんでしたが、巻末インタビューの中でゲーム関連やキャラクターデザインをまとめた続刊の可能性についても触れられていたのでぜひ実現してくれることを願っています。
ひたすら待ちわびた日々
左さんの初画集が発売されるとの情報が発表されたのがたしか数年前だったと記憶しているんですけれども、ついに読むことができる日を迎えられて感無量です。
いや〜、待ちわびましたぜ。 ホントに。
なかなか続報が出ない時期にハラハラしながら待った日々もありましたが、やっぱりひとつの作品として世に送り出すというのは並大抵の苦労ではないのだろうなと想像させられます。
ありがたみを噛み締めながら読み進めました。
大きなサイズでイラストを観賞できる喜び
ライトノベルの表紙などに使用されたイラストも大きなサイズで細かい部分まで堪能できるのが嬉しいです。
画面の隅々までディテールが凝らされていて、いつまで観ても飽きませんね。
少し絵柄の異なる活動初期から現在にかけて幅広い作品が掲載されているので、作風の変遷を追いかけるような形になっているのも楽しいです。
やっぱり上手い人って初期からして上手いんすよね……。 スゴい。
僕が思う左さんの絵の魅力
僕が左さんのイラストに強く心惹かれるのは、リアルとデフォルメとの境界がとても気持ち良く感じられるからだと思います。
人体の造形はもちろん装飾の細部に至るまで緻密にリアリティを感じさせながらも写実とはまた違う、イラストとしての表現で一枚の絵に落とし込まれているところに憧れます。
木や石、鉄など材質の違いがしっかり感じられると同時に二次元的なキャラ造形とも見事に調和していて、とてつもない技術を感じました。
個人的な嗜好として「こんな風にイラストに落とし込まれるとは……!」とデフォルメの妙を感じさせてくれる作品がどうやら僕の好みなようです。
巻末インタビューも嬉しい
巻末には左さんへのインタビューも掲載されています。 「やっぱり画集といったらインタビューだよね」と思うくらいインタビュー読むの大好きです。
内容はイラストレーターとしての活動に関する質問が主で、パーソナルな部分についての質問は控えめでした。
約25年にもわたる画業に対する意識や取り組まれ方、これまでに印象に残っている作品など、イラストに対してとにかく真摯に向き合ってこられたのだなと左さんの人柄が感じられるインタビューとなっています。
他媒体での左さんへのインタビュー記事もいくつか読んだことがありますが、それぞれ媒体によって質問の色が違って面白いですね。
左さんへのインタビュー記事が載っている書籍の中から僕のお気に入りをいくつかご紹介。 ↓
《余談》画集ってイイよね……
やっぱり画集ってページをめくっている時のワクワク感がハンパじゃないです。 大きな判、厚み、重さ、インクの香り、紙の感触……たまりません。
電子書籍が当たり前になってきた現在でも、こと画集に関しては紙版の方が好みかも。 ただ、本棚はたまらず悲鳴をあげていますけれども。
収納スペースと格闘する頻度が増えてきているので電子書籍もアリっちゃアリなんですが、いや、しかし、う〜ん……。
時おり持ち物を整理して、それでも手元に残った「好きなもの」がどんどん濃く煮詰まっていく感じもイヤではないのでしばらくは楽しく悩もうと思います。
続刊を熱望!
今回は掲載されなかったゲーム関連についても左さんはたくさんの作品を手がけられているので画集の形で見てみたいですね。続刊希望!
ゲーム作品はそれぞれのタイトルで設定資料集などが発売していますが、年数が経って入手困難になっているものもチラホラ見受けられるので、ぜひに……!
画集『vioLet』、印刷がとてもキレイでページをめくる度に胸が高鳴る画集でございました。
外部リンク
◆ 画集『vioLet』 – GOT(出版社) 公式サイト