昨年、ゲーム『ペルソナ』シリーズのデザイナー・副島成記さんの画集第2弾『副島成記 & P-STUDIO アートユニット ART WORKS 2010-2017』の発売が発表されました。
発売を心待ちにしていたのですが、つい発売日の詳細を調べるのを忘れてしまっており、先日ふと気になって調べたところ発売直前だと知って慌ててゲットしました。
およそ8年ぶりとなる画集発売
副島成記さんのイラスト作品をまとめた画集第1弾『副島成記 ART WORKS 2004-2010』の発売が2010年のことなので、およそ8年ぶりの画集発売となります。
第2弾となる『副島成記 & P-STUDIO アートユニット ART WORKS 2010-2017』では題名通り2010年から2017年に発表された下記作品に関するイラストレーションがまとめられた画集となっています。
【収録作品一覧】
- キャサリン
- ペルソナ3ポータブル
- ペルソナ3
- ペルソナ4(+『ペルソナ×探偵NAOTO』)
- ペルソナ4 ザ・ゴールデン
- ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ
- ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス
- ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド
- ペルソナ4 ダンシング・オールナイト
- ペルソナ5
- PROJECT Re FANTASY
- OTHER WORKS(『初音ミク』コラボイラスト、『BLAZEBLUE CONTINUUM SHFT EXTEND』ゲストイラストなど)
前作の画集と比べると厚みも増して、読み応えある内容になっています。(右が今回の画集)
雑誌掲載イラストやコラボ製品のパッケージイラストなど、充実した掲載内容
掲載されているのは各作品のメインビジュアルだけでなく、例えば、DVD・BD(『ペルソナ4』)のジャケットや全巻購入特典収納ボックスのイラスト、ゲーム情報雑誌の表紙イラストや寄稿イラスト、コラボヘッドフォン(『ペルソナ4』『ペルソナ5』)のパッケージに使用されたイラストなど、かなり手広く掲載されている印象を受けました。
今となっては観るのが難しいイラストも大きく載っているのでありがたい……!
また、これまでに発売された各作品の設定資料集にも載っていないイラストがいくつか見受けられたのも嬉しいサプライズでした。
タイトルに加えられた「P-STUDIO アートユニット」の文字
第1弾の画集と異なる点として、タイトルに「P-STUDIO アートユニット」という文言が追加されています。
この画集の巻末インタビューにて詳細が語られていますが、近年の『ペルソナ』シリーズ(スピンオフ作品含む)のアートワーク制作は副島さんだけでなく複数人のスタッフさんとの分担作業によって進められており、イラストによっては副島さん以外のスタッフさんが作画工程のほとんどを担当されているものもあるそうです。
そういったイラストも今回の画集に掲載するにあたって、画集第1弾のように副島さん個人名義だけではなくアートワーク担当スタッフさんの集まりである「P-STUDIO アートユニット」という文言も画集のタイトルに加えられたのだとか。
『ペルソナ』アートワークについて意外な事実を知らされた巻末インタビュー
巻末には「P-STUDIO アートユニット」のスタッフさん3人(織部花子さん・香林あかねさん・嶋田あずささん)と副島成記さんによる座談会形式のインタビューと副島さん個人へのインタビューも掲載されているのですが、僕にとってはかなり価値あるコンテンツのように感じられました。
「P-STUDIO アートユニット」へのインタビューでは、近年の『ペルソナ』シリーズ作品のアートワークへの取り組み方などが詳しく語られており、上でも書いたようにイラストが分担作業で制作されていることを知って驚きました。
掲載されている一部のイラストについては、どのスタッフさんが担当されたものなのかも明かされており、それらのイラストを改めて観るとたしかに副島さんの絵とは少し違った雰囲気があるような気がします。「このイラストも!?」というものもあったので、ぜひチェックしてみることをオススメします。
今までに発表されたイラストを観た際に「副島さんの絵の雰囲気、少し変わったな」なんて思ったこともありましたが、別のスタッフさんが描かれていたという事実を知って納得しました。
また、この座談会の中で「キャラクターのオシャレ衣装」論が語られているのですが、これが僕にはとても刺さりました。ただ見た目だけを重視すれば良いというわけではないのだな、とプロの仕事観を垣間見た気分です。
画集第1弾発売から現在への心境の変化などが語られた副島成記さんの個人インタビュー
副島さんへの個人インタビューでは画集第1弾と同様に、掲載されている各作品のアートワークについての思い出話や画集表紙イラスト制作の裏話、画集第1弾発売から月日を経た現在の副島さんのデザイナーとしての心境などが語られていました。
他のスタッフさんへイラスト作業を担当してもらうことに対する考えや、“副島さんの絵(個性)”への思い、変化を続ける『ペルソナ』のアートワークの今後など、イラストを観るうえでより味わい深くなりそうな情報がたっぷりで、僕には「このために画集を買ってもおつりが来るな」と思うくらいの読み応えが感じられました。